ミルク

27.デコレーション


「…あ?…あれ?…」
欲望のエキスを放出した為か、うつろだったボブの瞳に光が戻って来た
(お…俺は…何をして…いや何をしちまったんだ…!!)
「ひゃぁぁぁ!」
大声をあげるボブ。
「お、俺は…男と!」
それを聞いて抗議するルウ。
「ヒドーイ。僕ハ立派ナ『女ノ子』ダヨ」
そう言われてもボブの認識では、ルウは『少年』であり、たった今行なった行為は唾棄すべきものであった…彼にとっては。
ボブはルウは突き放そうとする…しかし…
ヒクヒクヒク…ボブの手は当人の意志とは無関係に、いやらしくルウの胸を這いずり回る。
「くそっ!ルウ!変な術を使うのは止めろ!…頼むからやめてくれぇ…」
最後は涙声になるボブ。 だがルウはボブの懇願を無視した。
「アン…モット…乳首ガイイノ…トッテモ…」
ルウの喘ぎに誘われように、ボブの両手はつつましい膨らみを執拗に揉み解していく。

人差し指がコロコロと乳首を転がすと、乳首は指の腹に吸いつく。
手のひらで白い丘を撫でるように包み込むと、手が溶け込んでいきそうに柔らかく、纏いつく。
(なんて柔らかくて…もみ心地のいい胸…)
ボブの頭に白い霧がかかりかけ…慌てて首を振って耐えるボブ。

「ハッ…アッ…イイ…アフゥ…」ルウはボブの手に自分の手を重ね、腰をふってよがる。
フワリ…ルウの体からあの甘い香りが立ち上り、ボブの体に絡みつく。
「くう…う?…く…また…」
ボブは今度は舌をかんで耐える。 今度正気を失えば…もう二度と…

「ネェ…ぼぶ…吸ッテ…舐メテ…」ルウはボブに圧し掛かろうとする。
しかしボブは、足でルウを突き放す。
「冗談じゃない!隊長はお前らの『ミルク』を浴びた所は感覚がなくなったと言ってたぞ!飲んだりしたら…」
そこで言葉を切る。 半分は恐怖、もう半分は…実はどうなるのか知らない事に気がついたからだ。
ルウはボブの心の中なんてお見通しと言うように笑う。
「クスクス…僕モ飲ンダヨ…イッパイ…トッテモオイシクテ…トッテモ気持チヨクナルンダヨ…タマラナイカラ…ダカラ…」
ルウの声にねっとりと纏わりつくような艶が混じる。
そして、誘惑の響きに震え上がるボブ。
「まさか…俺まで…」

ルウは笑って首を横に振った。
「ウフフフ…最初ハソノツモリダッタノ。 デモゴメンネ、ぼぶガ『男』ニナル前ダッタラ変エテアゲラレタノニ。 デモ、ぼぶは『男』ノ経験ガアッタンダネ…可哀想ニ…」
ルウの答えにボブは大きく息を吐いた。
「…どうするつもりなんだ…あ、スラッシュ!…」
ボブの顔が恐怖で引きつる。 彼の脳裏には中身を吸われてなお生きていたスラッシュの姿が焼きついていた。 そして、彼の想像は的中していた…不幸にして。
「君ハ『みるく』ニナルノ…身モ心モ蕩ケテ…白クテ甘イ『みるく』ニナッテ…アハ…僕ヤ皆ニ飲マレルノ…デモ…」
ルウは言葉を続けることが出来なかった。 ボブが猛然と抵抗し始めたからだ。
「やめてくれぇ!…助けてくれぇ!…」
そう言いながらも、両手はルウの胸に吸いつけられたまま離れない。
足でルウを蹴飛ばそうとするが、ルウは巧みに避けてしまう。

ボブの両手の動きがせわしなくなって来た。
それに連れて、ルウの胸が少しずつ膨らんできいた。
ヒクヒクヒク…ルウの胸が異様な動きを始めた。 そして乳首が固くそそり立っていく。
ルウが切なそうな表情になり、可愛い声で喘ぎ始めた。
「アン…胸ガアツイ…イイノ…イッチャウ…イクゥ!…」
ルウがか細い声で絶頂を告げ、白い少女の体が硬直する。
ルウの胸が固く張り詰めたまま震え、膨れ上がった乳首から白い迸りが…
ビュ…ニュルルルルル…
「アン…ハァ…ヨカッタ…アレ?」
「ひっ…ひぃ…な…何だよ、これはぁ…」
ルウの胸から出たそれは、色と匂いこそ『ミルク』であったが、蜂蜜のような粘り気があり、ボブの両手にべったりと絡みついた。
ルウがいったせいか、ボブの両手はルウの胸から離れて自由になったが、今度は白い粘液状の『ミルク』で両手が覆われてしまった。

「き、気色悪い…」
「ブゥ…ヒドーイ。ぼぶガコネ過ギタカラ、『くりーむ』ニナッチャッタンダ」
ルウが文句を言ったが、ボブはそれどころではない。 盛んに手を振って、『クリーム』を振り払おうとしている。 しかし、『クリーム』は手にべっとりと貼りつき離れそうもない。

そして、ボブは次の異変に気がついた。
「て、手が…し…痺れる…」
両手の自由が利かなくなっていく。 オルバンの言っていたとおりの現象だ。
ボブの様子を見ていたルウは、ニタリと笑うと自分の胸に手をやった。
胸から『クリーム』を搾り出し、両手にすくい取って、ボブの背後に忍び寄る。
そして、さっきの行為のままさらしものになっていたボブの股間を握り締めた。
ヌチャァァァァ…「ひぇぇぇぇ…」ヌルリとした感触に思わず声を上げるボブ。
ルウは構わず『クリーム』をボブのイチモツに塗りたくる。
「やめろ…うはぁぁぁ…」
ヒクヒクヒク…股間が疼く…意志と関係なくイチモツが張り詰めていく。
「あ…ああっ…あああっ…」
陰嚢が焼けるように熱い、ピタピタ音を立てて男根が腹を打つ。 激しい欲望が股間を支配していく。
「ルウ…何をする!」
「予定変更…君ヲ『けーき』ニスルノ」
「『ケーキ』?なんだそりゃ…ぅ…」
ボブは膝をついた。 股間が…陰嚢が重くだるい…

ルウはボブの背後に回り込み、器用な手つきでボブの胴着を脱がし、ズボンを裂いていく。
「やめろ…うぅ…」
抵抗しようにも両手は痺れ、股間が疼いて足も動かない。
たいした時間もかけずに、ルウはボブを自分と同じように一糸纏わぬ姿にしてしまう。
そして、蹲った姿勢のボブに背後から抱き付くと、体全体を使ってボブを愛撫し始めた。
ヌルル…ヌルルル…ピンと立ったルウの乳首が『クリーム』を絶え間なく溢れさせ、ボブの体塗りつけていく。
(あ…ああああ…)
滑るルウの体、柔らかい乳房の感触が、ボブの心から『抵抗』の文字を少しずつ剥がしていき、そこに『クリーム』が擦りこまれていく。
ルウはボブの背骨に舌を這わせつつ、『クリーム』をたっぷりと両手に取って、ボブの胸と腹に塗りつける。
「ネェ…ぼぶ…コレデモイヤ?…」
「うぅ…ううぅぅ…」
『クリーム』を浴びて感覚がなくなったと思ったのは間違いだった。 むしろ感覚が異様に鮮明になり、ルウの滑らかな愛撫を余すことなく伝えてくる。
ルウはボブの性器に指を絡めてきた、今後こそ丁寧に…皺の一つ一つにまで『クリーム』を擦りこんでいく。
「ひゃめ…ひゃぶぅ…」
ボブの口にルウが指を滑らせてきた。 甘い蜜のようなクリームで濡れた指を…
舌が微かに触れた…途端に舌がルウの虜となる。
ルウの指に絡みつき、全ての『クリーム』を舐め取ってしまった。
「ひゃふぅ…あはぁ…」ボブの目がドロンとしてきた…
ルウの手…胸…乳首…それが塗りつけてくるクリームはボブの体に纏いつき、染み込んでくるようだ…
ニュム…ニュムニュムニュムニュム…
(溶ける…甘い蜜…甘く…溶けていく…)
「ネェ…ドウ…」「いい…溶けそうだ…」陶然とした声で応えるボブ。
ルウがひどく楽しそうに笑う。
「ウフ…直ニ溶ケルヨ…とろとろニ…ホラ、ミンナガ来タ」
ボブはのろのろと頭を巡らしてルウの示した方を見た。
茂みが揺れ、白い少女が現れた。
一人…二人…五人…十人…
(こんなに…どこから…)ボブの心に最後の疑問が生じた。 しかしその答えが与えられる事はなかった。

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