ミルク

20.ザイン


「隊長…」アマレットが不安げに声をかけた。
「落ち込んでも仕方ないか」
オルバンは立ち上がった。その表情は意外なくらい落ち着いている。
「ガフ、アマレット、ボブ。お前達はビスコタ伯の所に行け。ティフィン嬢は死んだ…そう伝えろ」
ボブが声を上げかけるのをオルバンが制する。
「いいか、余計なことは言うな、お前達自身の為だ」
ガフとアマレットは頷く。貴族にとって『家』の存続が何より優先される。たとえ噂であっても娘が化け物になったなどと巷に流れれば…
「…見損なったよ…」ボブがはき捨てるように言い、アマレットはボブを睨みつけた。「まず村に戻るよ。多分マリブはドグと村に逃げ帰ったから」
「いや、村に戻らず真っ直ぐビスコタ伯の所を目指せ。これも持っていけ」そう言ってオルバンは村長からもらった前金を渡す。
「隊長?」「どうしてだよ!」
「さっきの場所で連中が何人いたか覚えているか?カシスとココモを別にしてカルーアとティフィン嬢とあと一人…他の奴はどこに行った?」
「へ?…まさかマリブ達を…」
「スラッシュの姿を見せ付けたのは、気の弱いマリブが逃げ出すのを計算していた様に思えてな…まあ宛て推量だが」そう言ってオルバンは肩をすくめた。
「どっちにしても、村に戻ったところで残金はもらえんだろう。だが、ビスコタ伯からはうまくすれば口止め料ぐらいはもらえる。白い女達の事を王都に伝えればそれも金になる」
ボブは軽蔑の眼差しでオルバンを見る。が、ずっと黙っていたガフが口を開く。
「オルバン…カルーアをやる気か」
「ああ」「隊長!?」ボブが驚く。 オルバンも逃げだすつもりだと思っていたのだ。

「見ろ」オルバンはズボンの裾を捲り上げた。足首から踝に掛けて、白く変色している。
「さっきのね…大丈夫?」
「感覚が…動かすことは出来るが、足が無いみたいで勝手が違う。歩くのがやっとだ。逃げても追いかけられたら捕まる」
裾をおろして3人を見渡す。
「連中の手際の良さはカルーアが指揮を取っているからだ。だから、カルーアをやる」
「だったら全員で」ボブの言葉にオルバンは首をふる。
「今は向こうの方が多い。勝ち目は…一人で行っても大差ない」
3人はオルバンをじっと見た。
「行け」短く言ってオルバンは踵を返し、森の中に入って行った。

「くすぐったい!…やめれ!…」
「ヨリニモヨッテざいん…一番憎タラシクテヤカマシイノヲ捕マエタネ…」
ここは、小屋からかなり離れた森の中の広場…ザインを捕まえているタコの前にカルーア、カシス、ココモそしてシェーキィが佇んでいる。
「えぐれ胸の婆ぁが!隊長にふられて泣きながら逃げ出した奴が偉そうに!」
ザインの罵倒にカルーアが笑みを消す。
「オ前ノ様ナ奴ニハ、オシオキガ必要ネ」
カルーアの意思が伝わっているのか、タコは足を次々とザインに絡みつかせ、ザインの皮胴衣や衣服を剥ぎ取っていく。
「やめれ!やめ!くすぐってぇ!…変なとこに触る!…ひゃははは!ひゃめてくれぇ!…」
タコの足についた乳房が、至る所を愛撫する。 恐ろしい事にそれがたまらなく気色良い。 股間が硬くなってきた。
「騒ガシイ奴ダ。オヤ…」カルーアはタコの足の間に手を突っ込み、ザインんの男性器を探り当てた。「ココハ気持チイイトイッテイルゾ…ククク…」
カルーアは冷笑し、ザインは悔し涙を浮かべる。

「ちくしょう!…あが…」やかましくなったのか、タコは足の乳房でザインの顔を絡め取った。
ふごふご…口を塞がれ、ザインは乳房に噛み付く。 恐ろしく柔らかく噛み切れない。 そして、『ミルク』を吐き出す。 ごほごぼ…むせ返るザイン。
(くそ、女の胸ならともかく…う…)
ウニョウニョ…しっとりした感触の白い触手がごついザインの体を這い回る。 人間の乳房そっくりの大小のソレが、体中を這い回り、吸い付く。
(くすぐったい!…)
チュパチュパ…乳首(?)が吸い付く感触は無数の口に吸われているようだ。
(うぬ…なんだか…おのれ…変な…おお…)
「ホラ、ヨクナッテキタロウ…」
(なにぃ…化け物なんぞに…うう恥だ…)
『ミルク』が体に回ってくるにつれて、皮膚がピリピリして敏感になって来た。

「フフ…コノ子ハ結構ウマイノヨ」
タコの足がニュルリと足の間に滑り込み、乳房つきの側で男性器を刷り上げる。
中小の乳首が陰茎から陰嚢にプチプチと吸い付き、離れ、コロコロと転がす。
「ひんにゃぁぁぁぁ」奇怪な叫びを上げるザイン。
「キャハハ」「喜ンデルゥ…モット…」囃したてるカシスとココモ。
ブハッ…タコは大きく息を吐き、オモチャを扱うようにザインを弄ぶ。
尖った足が背筋を上下する。「ひぇぇぇ」
胸一面に乳首が吸い付き、コロコロと転がるように動き回る。「あへあへ」
首筋、脇の下、耳、足の裏ありとあらゆるところに乳首が吸い付き、チュウチュウ吸われる。「うぅぅ…うぅぅ…た、たまら…ふへぇ…」

そそり立ったイチモツが咥え込まれた、舌が亀頭を丹念に這いずり回る感触が背筋を駆け上がる。
「おお…おお…いい…あれ?…」
チュル…チュルチュル…(これは…誰かが)
「フッ…鈍イヤツ…」いつの間にか、ザインの男性自身がココモの口に咥え込まれていた。
「くそっ…誰だ!…いいっ?」
ココモはいとおしげに亀頭を舐り、カリに舌を巡らし、軽く歯を立てる。 舌を裏筋に這わせて陰嚢を突くと、皺の塊となった其れがフルフル震える。
「カワイイ…」ココモは執拗にザインを攻める。

「不思議」カシスが呟いた。
「何ガ?」とカルーア。
「ざいんナンテ触ラレルノモ嫌ダッタ。ナノニ、今ハ…」「今ハ?」「トッテモ可愛イ」そう言ってカシスは笑う。
カシスはタコの足に触れた。 タコが足をウニウニ巡らし、ミルクまみれのザインの顔をカシスの前に持ってくる。
「ぶはっ…ひゃめて…あへ…カシス?」
「ざいん…」そう言ってカシスはザインの頭を抱き締める。 ザインは顔をカシスの胸に埋められた。
「むふうっ…」「今度ハチャントシタ女ノ胸…サア…」
もがくザイン…そして。 (ああ…いく…あ…ああ…)
ザインの体を甘い衝撃が走り抜け、ドロリとした物が洗い流されていく感じ… 
ドクリ…ドクドクドク…ココモの口に放ってしまった。 ゴクリ、ココモの喉が動いてザインの出したものを飲下す。
「はへ…よかった…はぁ…」 ザインは気だるい心地よさだけが残った。

ぬたりとカシスが笑い、ザインの頭を解放する。
「ざいん…ドウ…」
ザインの顔からは怒りが消え、呆けたような空ろな笑が浮かんでいる。
「ああ…いい気分だ…あへ…」
ズルリとタコの足が動き、ザインの体を解き放つ。 白く染まった体をカシスとココモが抱きとめる。
「サァ…」「アタシ達ト…」
『シマショウ…ウフ…ウフフフ…』
「ああ…幾らでも…しよう…へへ…へへへへ…」
白い手足がザインの四肢に絡みつき、熱く脈打つ乳房がザインの肌に溶けるように張り付いていく。
そしてタコが足を伸ばし、3人を優しく包み込む。
快楽と欲望のオブジェの中で、ザインの体と魂が形を失っていく。

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