ミルク

18.カシスの抱擁


スラッシュは体を戦慄かせた。
「ふうっ!…ふうっ!…ふううううっ!…」
激しい刺激に息が乱れる…苦痛にも似たそれは次第に弱まり、やがてスラッシュは落ち着きを取り戻す。
「はぁっ…はあ…」ようやく呼吸を整えた彼は、自分が別の白い女に抱きとめられているのに気がつく。
「すらっしゅ」「うう…カ…カシス…か?」
その女の顔は先程までの仲間のもの…彼女はくいっと顔を上げ、彼を弄んでいた白い女をねめつける。
一方、スラッシュを取られた女もむっとした表情でカシスを睨む。

「ドウイウツモリ?」
スラッシュはカシスに抱きとめられたまま、頭の上を行き過ぎる会話を聞いていた。
(くそ…力がはいらねぇ…ああ…カシス…)快感の余韻から意識が抜け出せない、夢と現実の間をさ迷っているようだ。
(カシス…助けてくれるのかな?…)

「コレハアタシノ男…ダカラ、アタシノ物ヨ」その言葉にスラッシュは身を硬する。
「カ…カシス…やめろ…」
「安心シテ…優シクスルカラ…」そう言って、スラッシュをそろそろと愛撫する。
「や…ああ…ああ…」カシスの言う通り、その愛撫は優しく心地よい。
スラッシュは抵抗しようとするが、体が自由にならない。

カシスはスラッシュの体を、巨大な乳にもたれさせる。 
白い女は、仕方ないという表情で、スラッシュを軽く谷間に挟んだ。 スラッシュは肩を両側から押さえられ、足を投げ出した格好となった。
「すらっしゅ…」カシスは、熱い息をスラッシュに吐きかけつつ自分の胸をそっと揉む…
スラッシュは、カシスの胸が人の頭ほどの巨乳になっていることに今頃気がつく。
カシスは、ピンと立った乳首をでスラッシュの唇に触れる…そして、カシスの乳首は、スラッシュの敏感な部分を捜すように彼の体を這いずって行く。
「ふ…う…」
カシスの乳首の感触が、ゾクゾクするほど心地よい。
唇から頬に、そして首筋…胸板を上下して、乳首をすり合わせる。
「あ…」
カシスの乳首がスラッシュの胸に食いむ…胸の奥がツンと切なくなる。
カシスは、そのままクリクリと乳首を動かし、今度は乳房ごと擦り付けるようにしながら腹を撫で回す。
「う…」
腹と溶け合うのではないかと思えるほど柔らかい乳房が、スラッシュの腹をヌメヌメ動き回る。 スラッシュの腹が波打ち、カシスの乳をタプタプと揺れ動かす。

「はぁ…はあ…」
「ウフ…準備デキテタンダ」「マッタク、オイシイ所ダケ持ッテ行ッテ」
カシスは、その白い乳房でスラッシュの男根を、陰嚢を…男の全てを包み込む。 そして大きく揉みし抱く。
「ほぅ…」ニュルリ…スラッシュがため息を吐くと同時に、カシスの白い谷間から、こげ茶色の亀頭が顔を覗かせた。
カシスはそれを見て笑みを浮かべ、薄いピンクの唇で其れを捕らえた。
ピチャ…チュルリ…チュプ…
(な…ん…だ…)
スラッシュは、体のうちに今までと違う何かを覚えた。 体が内側から蕩けるような快感は同じ…それが…
「ああ…変だ…」
「ホラ…出シタイデショ…」そう言うと、カシスはゆっくりと乳房でスラッシュ自身を揉む…揉む…。
(…う…うう…)男根が自分の意思を離れ、別の生き物になって行く…そして…カシスに飼い慣らされていく…
キュ…シュ…シュ…白い谷間で褐色の蛇が踊り狂う。 鎌首を薄いピンクの魔性の花が包み込み吸い上げる。
「カシス…カシス…」
「すらっしゅ…出シテ…全部私ノ…私達ノ物ニ…」

ヒク…ヒク…ヒクヒクヒクヒクヒク…谷間で男根は引きつる様に激しく震え、そして細い口からスラッシュの『ミルク』が迸り始める。
ニュル…ニュルニュルニュルニュルニュルニュル…
「ふぁ…あ…あぁぁぁぁぁ…」
粘っこい細い蛇が、内から睾丸をくすぐり、尿道を摩り上げ、鈴口を震えさせていく。 そして、それがカシスの口に消えていく…
カシスは喉を鳴らしてスラッシュを吸い上げる。
「あぁ…カシス…吸われる…全部…」スラッシュは恍惚としてカシスに吸われる快感に溺れる。

チュウ…ジュル…
不意にカシスが亀頭から口を離した。 褐色の亀頭も迸りを止めた…しかし、まだ足りないというように細かく震えている。
「…ン…粘ッコクテ、吸イニクイハ」カシスが言う。
「?」
「…捏ネ過ギテ『よーぐると』ニナタミタイ」
「アラ」
カシスと女は顔を見合わせ、笑う。 そして、熱っぽい視線をスラッシュに向ける。
「すらっしゅ」
「あぁ…もっと…もっと…」
「ウフ…コッチデ…サ…」
カシスはスラッシュに抱きつく。
二人の間で乳房が潰れ、はみ出した。  スラッシュのわきの下に、乳房が流れ込むように形を変え、彼を捕まえる。
カシスはそのまま、彼の腰に直立するものに淫花をあてがう。
男根は、秘所に擦られると自分からのびあがり、中に潜り込もうとする。
「フフ…可愛イ…スグアゲル…」
ズル…ルルル…
湿った肉の筒に、己が物が呑みこまれて行く感触がスラッシュの背筋を駆け上がった。
「あぅぅ…あ…カシス?…」
「すらっしゅ…大好キ…来テ…アナタガ欲シイノ…体モ心モ…全部…」 カシスが囁く…その言葉がスラッシュの心を甘く溶かす。
「カシス…やる…なにもかも…」
スラッシュはカシスに屈服した…彼の体から、抗う力がなくなる。

カシスの愛撫が、胸を這いずる乳首の感触が、男根を捕らえるカシスの肉襞がスラッシュの体を、心を、魂を甘く蕩かしていく…
ニュム…ニュク…ニュルリニュルリニュルリニュルリ…スラッシュはそれを受け入れ、快楽を貪り…そして貪られる…
「あへ…溶ける…蕩ける…全部…」
「すらっしゅ…すらっしゅ…」
スラッシュの世界がカシスと彼女の与える快楽だけになった。 スラッシュはこれまで感じたことの無い幸福感に包まれていった…

…一方マリブ達はスラッシュの笛を聞いて駆けつけてきた。 しかし其処にスラッシュ達の姿は無くサインのみが残っていた。
すぐに後を追うかどうかで迷うが、すぐオルバン達も駆けつけてきて、全員でサインを追う。
程なくスラッシュ達が『おっぱい』と遭遇した湖までやって来た。
地面や周りの荒らされようから何かがあった事は一目瞭然だ。

「む…」オルバンの顔が険しくなる。 二人の姿は無い。 道は前と後ろ、左は湖、そして右には…
「隊長、小道!」
「うむ。ドグ、この先は?」
「猟師小屋…だと思うが…」
『おっぱい』が通った後は小道に続いている。 オルバンはそちらに行くべきか思案した。
「隊長!サインがある」「どっちだ?」「道なりに先に行った様だ。 小道じゃない」
オルバンは頷くと、先に立って街道を走る。 慌てて残りが続き、最後に騒々しい響きを立てて馬車とドグが続いた。

少し行ったところで、一行は再び分かれ道に出くわした。 一つは湖に沿い、もう一つは湖から離れる。
「サインはないか?」「見当たりませんねぇ」「こっちにもないよ」
オルバンは顎に手をやり考える。 と、マリブが声をかけた。
「隊長。 さっきのサイン…変じゃないですか?」
「何?」
「いえ、あの様子だと何か大きな生き物に襲われたようですが…それならサインを残す余裕はないのでは?」
マリブの疑問に一同がはっとする。
「じゃあ、あのサインは? あのサインは仲間うちでしか…」とザイン
「そうですけど…」
「…戻ろう。 まだ無事なら鳥笛を使っているはずだ」
そうオルバンが言い、一同は湖の辺の小道まで戻った。

「いったい何が通ったんだ?」「隊長…少し乳臭くないか?」「うむ…」
オルバンは頷いて剣を抜く。 他の傭兵も手槍を構えたり剣を抜き、マリブは松明に火を灯した。
小道の幅が狭いので、馬車を残して一行小道を進む…

そして、スラッシュ達が逃げ込んだ小屋の辺りまで来た。
「隊長!出た」「あれが『おっぱい』か?」
 小屋に異様な物体が絡みついている…白くフニャフニャしたスライムのような体の下で触手がうねっている。
「あ、あれは…デビルフィッシュ!」マリブが叫ぶ。
「デビルフィッシュ?恐ろしげな名前だが…水の魔物か?」
「えと…魔物というほどの物ではない筈です…東の国では食用にする事もあると…」
「喰う?…こっが喰われそうだぜ」とザイン
「いえ…食べられるのはもっと小さいはずで…そう、東では『蛸』とも言うそうです」
「『蛸』…タコか…」
オルバン達は白いタコから距離をとって対峙した。
「中にスラッシュ達がいるかもしれん…あの『ムチ』を一本ずつ切って…!?」
風のように白い人影が現れ、タコとオルバン達の前に割って入った。 白い女…それも今度かなり体格がいい女だ。
「ちっ!」剣を構えるオルバンを、女は手をあげて制した。
「待テ」そういって彼女は反対の手で顔に泥を塗る。
「?」意味不明の行動に首を傾げるオルバン達。
「私ダ。かるーあダ」
「何!?」ルウとドグ以外の全員が驚く。 泥で真っ黒になった顔は確かにカルーアだった。 
オルバン達は、我知らず武器をおろした。

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