ミルク

17.白い谷間


スラッシュは右手に握った剣を、逆手に握りなおした。 白い女の顔を一瞥し、息を吸い込む。 
「女を切るのは趣味じゃねぇがな…」 スラッシュは右手を振り上げる。 その脳裏に『ムチ』に犯されるカシスの姿が蘇った。
(カシス…まさかこいつも人だった…) ためらうスラッシュ。 そして何かを振り払うように、首を激しく横に振る。
スラッシュは力を込めて、フルフルと揺れる巨大な左の乳房に剣をつき立てる。

ズニュュュュ…「むっ」異様な手ごたえにスラッシュが眉をしかめる。 次の瞬間、剣は彼の手から弾け飛び背後の壁に突き立った。
「ちっ」スラッシュは舌打ちし、素手で乳を叩き足で蹴る。 その往生際の悪さはむしろ天晴れであった。
ズムッ、ズムッ…鈍い手ごたえ、足ごたえ…フカフカした感触で、手や足を包み込むように受け止め、効いている様子は…
「アハ…ヤン…アン…」…喜んでいる…
薄いピンク色だった乳輪が赤みを増し、スラッシュのこぶしほどもある乳首がヒクヒクと震えながら、ピンと立ってきた。
(くそっ…ならば)スラッシュは乳首に狙いをつけ、渾身の力を込めて右のこぶしを乳首に突き込んだ。

ズムッ…「ウッ…」「お?」女が呻いた。
(ここが弱点か?…ええいままよ)スラッシュは乳首を殴打し、蹴り上げる。 手首ほどもある乳首が立ってきて、ピクピク震える。
「アッ…ウン…ウウン…」「ちっ、感じてるやがる…なら」スラッシュは屈み込み、乳首に噛み付いた。
「キャウーン」女が高く声を上げた。 乳首が一際大きく震え、『ミルク』を迸らせ、スラッシュの口にそれを注ぎ込む。
ブハッ…スラッシュはむせ返りながらも、乳首を咥えて離さない。 顎にを込めて噛み千切ろうとするがうまくいかない。
(くそっ…ううっ?)…腹がポウッと暖かくなってきた。 その暖かさ体に広がっていく。
(ち…力が…は…入らねぇ…しまった…そういう…)
ジュルリ…スラッシュの口から乳首が開放される。 手首ほどもあるそれが、太い舌の様にスラッシュの顔を軽く舐めた。
「おう…」ザラリとした感触が心地よい。 背筋がゾクゾクする。
「ウフッ…感ジルデショウ…」「くう…いや…」「アタシモソウダッタモノ…」「何?」
スラッシュは女の顔を見る…が、しゃがみこんだ姿勢では巨大乳の影になって見えない。
「スッゴク感ジテ、蕩ケチャッテ…ドウナッテモイイッテ思ッタラ…」「こうなったと…お…おお…」
プルプルプル…乳房が揺れる…滑らかな皮膚がスラッシュの体を愛撫し、ざらつく乳輪が顔を舐める。 さっきまでよりずっと感じる。
「ああ…」「ネ…サア…アナタモ気持良クシテアゲル…」女はそう言って体を細かく揺すり始めた。
ブルブルブル…巨大な乳が細かく揺れる…そして、力が抜けたスラッシュの体が、じりじりと谷間に引き込まれていく。 スラッシュに抵抗できる力は残っていなかった。

ピクリ…ピクリ…腕、肩…そして頭が、白い乳の隙間に消えていく。
滑らかな其れは、逞しい男の背中に、胸に、ヒタと吸い付き。 ヒトヒトと波打ち奥へ奥へと誘う。
スラッシュは、上半身に纏いつく妖しい感触に慄く。
甘く、優しく、魂を揺すぶる愛撫…それが上半身を音もなく包み込み、五感の全てを支配していく。
(…見えない…聞こえない…)
ズルリ…ズルリ…そして、スラッシュの全てが、女の乳房の間に収まった。

モニュ…モニュ…何かを咀嚼するように、白い二つの果実が摺り合わされる。
スラッシュはそこで、彼女の言ったとおり身も心も揉み解されていた…甘く…優しく…
(…ああ…)
彼を包み込むのは信じられないほど柔らかい乳房…
彼の体にしっかり纏いつきながらも締め上げてこない…
彼の顔を流れるように愛撫するのに息は苦しくならない…
(…うう…柔らかい…)
スラッシュは残る力の全てを振り絞り、手を振り回し、足を蹴りだす。
だが、手を伸ばせば、白い果肉が指の一本一本に絡みつき、足を伸ばせば巨大な舌のようにふくらはぎを舐め上げる。
そして開いた足の間に流れ込み、彼の男を隙間なく包み込み、優しく揉み解す…
(くう…くう…ああ…ああ…)
気がつけば、スラッシュは自分から体を摺り寄せていた、己を包む白い闇に。
己の胸を突き出し、舌で嘗め回し…腰を摺り寄せる。 体の動きが全て快感に変わり彼を虜にする。 それは、想像した事の無い悦楽だった…
やがて、スラッシュは動きを止めた。
モニュモニュモニュ…白い魔性の乳房は虜になった男をひたすら揉み、愛撫する…いとおしげに…

波打つ悦楽に身を任せていたスラッシュに、どこからか声が聞こえてきた。
”…ねえ…どう…”
(ああ…いい…すごく…いい…)
”…そうでしょう…うふ…あなたは…男よね…”
(そうだ…男だ…)
”…そうよね…じゃあ全部…蕩かしてあげる…”
(あ?…ああっ!…)
モニュ…モニュモニュモニュモニュ…
スラッシュを取り巻く白い乳房の動きが、次第に大きく…そして強くなる。
解れていた体の中心に熱い感覚が生まれてきた。
(ああ…いい…いい…)
背筋が…股間が…ゾクゾクした感覚に支配され…痺れるような、熱いような物が溜まっていく…
(あへ…あは…いきそう…)
”だめよ…まだ…”
(へ…あ?…)
いつもならば、股間を熱くする物は、彼の硬くなったイチモツから迸る。 だが…
フニャ…フニャ…フニャ…
(あへ…ひゃめ…ひゃ…いい…もっと…)
熱い陰嚢と男根が丸ごと揉み解される…中身が溶けてしまいそうな変な心地よさだ。
(あへ…あれ…ああ…)
”ほら…よくなってきた…”
股間から熱い物が溢れだす…体の中に…。 熱い快感が体に逆流していく。
(いいぞ…これは…いい…)
ヒク…ヒック…ヒクヒクヒクヒク…体が痙攣する。 
(いい…中も…外も…溶ける…溶けてしまいそうだ…)
体の内に溢れる痺れる快感。
体の外からこね回される悦楽。
スラッシュは人外の快楽に溺れ、魂を明け渡す…
”そうよ…溺れて…蕩けて…安心して…たまらなく気持ちいいから…”
(…蕩ける…蕩ける…)
”そうよ…もういい頃合…”

と、スラッシュは何がが自分の足を捕まえたのを感じた。 そのまま、ズルリと外に引きずり出される。
蕩けて敏感になった体が乳房と勢い良く擦りあげられる。
「ひぃぃぃ…」 スラッシュは快感に情けない歓声をあげた。

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