ともしび

18.炎のショウタイム


(…はて…) 枯草はふと我に返った。 (俺は何をしているんだ?)

ニ三度瞬きし、目に入るのは闇にゆれる赤い二つのふくらみ。 それに「女の××」という品の無い単語が当てはまる頃、

彼の目はそれに釘付けになり、意識に霞が掛かっっていく。

5人は何度もそんな事を繰り返しながら、『赤い女』の後を付いてきた。

ヘトヘトヘト… 足音が響きだした。

(…廊下…) 頭の片隅で自分たちが建物の中にいる事を感じる。


体育館に付属した浴場に入った所で五人の足が止まった。

赤い女が浴槽の前に佇んでいて、『赤い××』はもう揺れていない。

各々の意識が状況を認識しようと動き出す。

(…風呂…)(…タイル…)(…白い水?…)


たぷ… 水音が彼らの注意を引いた。 浴槽の中から一人の少女…『蛍』が、白く粘っこい液体を滴らせつつ姿を現し

たのだ。

浴場の縁で嫣然と微笑み会う、『蛍』と『赤い女』。 なぜか彼女達の姿は闇の中でくっきりと浮かび上がって見えていた。

『蛍』は右手を『赤い女』の襟元に差し入れ、手の甲を払うような仕草をした。

『赤い女』のコートが滑り落ち、足元で溶ける様に消えた。 そこに立っているのはもはやただの『女』。

それを見つめたまま、男たちの手が操られるように自分たちの服を脱ぎ捨てていく。

それは滑稽さと不気味さが混ざり合った光景だった。


男達を無視し、『蛍』と『女』は互い手を差し伸べ、顔を近づけて口付けを交わす。

互いの舌が絡み合う濡れた音が、男たちの耳を刺激する。

ん… ん… 二人の手が互いの背中を弄り、大小の乳房が形を変えながら互いを押しはなそうとする。

あん… ああん… 濡れた乳首が滑る度に甘い声を上げる『女』と『蛍』。

最初は上体だけを摺り合せ…腰を滑らせ…足を絡ませ、体をくねらせ感じる所を捜す二人。

絡み合う太ももを濡らす滑る液体が互いの秘所をすり合っている。

淫らな水音が男達の股間を固くし、亀の頭達が互いの高さを競いあう。


(すげぇ…すげぇ…)薪之森の頭の中では単調な言葉が繰り返されていた。

興奮で体が震えているが、目の前で起こっている事が現実だと思えない。 

知らず知らずのうちに、手が股間に伸びて…冷たい別の手に触れた。

ビクッ!… 薪之森の体が電気が流れたように震えた。

ヌルヌルした冷たい手…それが薪之森の固く張り詰めた男根に伸びてきたのだ。

(な…何だ)

頭の中の霧が、冷たい恐怖の風で一瞬にして吹き払われた。

(下…足元だ)

そろそろと目線を落とすと、手の主、足元に蹲った三人目の女と目があった。


「ふふ…そんなお化けでも見たような顔ね…」含み笑いをしながら女…『薫』が言った。

「ふ…ふざけんじゃねぇ!」薪之森が声を荒げる。 女に驚かされたと言う事が彼のプライドを傷つけていた。

「ててめぇら何なんだ?薬でもやって…くっぅ!」

喚きたてる薪之森の竿を『薫』が咥えた。 

真っ赤な唇の柔らかな感触、中で粘った舌が蠢き筋に沿って吸い付くような感触を残して上下している。

薪之森は手を上げて薫の肩をつかみかけ…思い直して彼女の頭を掴む。

「こ…この××××がっ…うっ…やるんなら…こっ…う…うえっ…」

『薫』は頭を横に倒し、薪之森の陰茎を咥え、舐めながら上下させる、亀頭と陰嚢の間を。

固い陰茎の中を熱い感覚が上下している。 『薫』の唇を追って。 薪之森は薫の頭を掴んだまま荒い呼吸を繰り

返すのがやっとだ。

「くっ…う…うめえじゃ…へっ…しかし…た…たいした…ごっ!?」

ヌラリとした生暖かい感触が亀頭にあった。 

下を見れば薫の舌が、カリの舌から鈴口にかけてに張り付いて動きを止めている。 薫は上目遣いに薪之森の見

上げてにっと笑った。

ズッズッズッ… おっ…おっ…おおっ…

薪之森が目を剥き、手が戦慄く。 薫の舌が亀頭をゆっくりと舐めあげたのだ。

舌の這いずる感触は男根の表から裏に付きぬけ、亀頭がひくひくとのたうった。

男根全体を熱く甘い痺れが包み込み、薪之森の体に溢れてくる。

「ああっ…あああっ…ふ…ふくっ…や…やるな…」ぜぇぜぇと息をついた「どうだ。漏らしてねぇぞ」

本当の所は、これまで薪之森の体が味わった事のない快感に、男根が固まったまま達してしまい精を漏らすひま

がなかったのだが。


「うふふ…すごいわぁ」下で唇を舐めながら『薫』が言う。「じゃあ、こっちで」

そう言って『薫』は尻をふりながら薪之森に向け、四つんばいになり、下から手を伸ばして秘所を広げる。

女陰が舌なめずりをした… ありえない事だが薪之森にはそう見えた。

(…な…なんかやばい様な…)たじろぐ薪之森 と、『薫』の尻が妙にはっきりと見えてきた。

(尻が…光って…?) 緩やかに明滅する『薫』白い尻。 それを見ていると、また薪之森の意識に霞が掛かって、
そして『薫』の女性部分しか見えなくなっていく。


手が柔らかいものを掴んだ。 それが『薫』の尻だと認識した時、薪之森の亀頭は『薫』の秘所に捕まっていた。

「う…」 一声呻いて薪之森は絶句した。

『薫』の秘所が軟体動物の動きで亀頭をしゃぶっている。 

トロトロした粘い愛液が吹き出て亀頭を濡らし、竿を伝わっている。

陰唇がカリを巻き込むように動き、亀頭を『薫』の中に引きずり込んだ。

うっ… うっ… 呻いて硬直する薪之森に構わず、『薫』の陰唇はヌメヌメと吸い付き、じりっじりっと男根を中へ中へ

と誘う。

無数の襞がザワザワと動いて竿に絡みつき、亀頭に吸い付いて嘗め回している。

(もっと…もっとだ…)

じわじわと二人の腰が近づき、そして密着した。

「ぐう…」 『薫』の陰唇は男根の根元の辺りをいとおしげに蠢き、陰嚢を探し当てると、それを飴玉のように舐めながら

愛液を塗りたくっていた。

しかし薪之森はそれに気が付かない。

薫の奥に到達した亀頭に、ザラリとした感触が巻きついてゆっくりと執拗にソレを撫でていたから。

「す…すげ…う…うう…」

言葉にならない快感が先端を支配していた。 支配はすぐに股間のもの全体に、そして薪之森の全身へと広がっ

ていく。

熱い感覚にようやく股間のものが『いきかた』を思い出した。

快感に震えるというより、耐え切れない快感にヒューズを飛ばすよう薪之森の男根から熱い精が迸った。

ビク…ビュクビュクビュク… 迸る感覚に身を委ねながら、薪之森はどこかでほっとしていた、『薫』の快感から解放

された事に。

うっ… 一声呻いて薪之森は『薫』の背中に重なった。 同時に他の4人も、糸が切れた操り人形の様に、床にへ

たり込んだ。


「ふぅ…ふぅ…や、やるな」背後から『薫』に声をかける薪之森「まぁ、ほめてやろ…?」

背後に人の気配がし、薪之森は振り返った。

「げっ!?」 そこに立っていたのは『女』…その体の表面が解け崩れ、中から『委員長』が、『薫』同様に淫靡な薄笑

いを浮かべた少女が現われた。

驚く薪之森に多いかぶさってくる『委員長』 その体の所々は、白く蠢く粘体で覆われたままだ。

「な、なんだ!…それはあっ!…」

薪之森の問いに回答が与えられることはなかった。

彼は『薫』の背中と『委員長』に挟まれた。 そのまま、体をゆする『薫』と『委員長』

少女と大人の女と粘体の間で全身を摩りあげられ、悲鳴をあげる薪之森の手がむなしく振られる。

他の4人は呆然とその様子を見つめていた。

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