紫陽花

19.篭絡


「二度と…」

そう呟き、三島が急に立ち止まった。

ユウジは一歩前に出て肩を引っ張られる格好になりつんのめりかける。


「おっと…先輩?」

ユウジがいぶかしみ、三島を振り返る。

伏せた顔の表情はわからない…微かに震えている?…

「う…う…あ…あ!…」

「わっ!?」

三島がいきなりユウジを振りほどいた。

勢いあまって二人とも転倒する。


ドッ…ぐっ…

鈍い音がした。 肩を打ち付けたらしい。 絡み合って倒れたので受身が取れなかった。

「いててっ…何を…」

ユウジは転がったまま、三島に文句を言う…返事はない。

「先輩!?」

起き上がろうとするが、肩が痛い。

歯を食いしばって痛みに耐え、洗い場に座り込むようにして姿勢を立て直す。

いた…三島は…静にふらふらと歩み寄って行く…

「先輩!…駄目だ!」


三島にはユウジの声が聞こえていない。

白い丘…小豆色の乳輪…彼を招きく乳首…そして…魂まで揉みほぐすあの谷間…その快楽を放棄する事など…

彼は、静の乳にすがりついた。

「お願いだ…もう一度…もう一度…」

うわごとの様に呟きつつ…先ほどまで彼を捕え、弄んでい谷間に体をねじ込もうとする…

ブルン…ボヨン…

が、今度は静の胸は彼を拒んだ。

弾力のあるそれが、彼を追し返し、無様にしりもちをつく。


「お願いだ…もう一度…」

今度は、左の乳房にむしゃぶりつく…

ボヨン…ボヨボヨ…

白く柔らかな生きたクッションに半ば埋もれるようにしてしがみつき、体を擦りつける。

「お願いだ…ああ…」

懇願しながら…手を、胸を…そして股間を乳房に押し付け…自ら体を揺する…

「ああ…ああ…」

体に、再び甘美な感触がよみがえって来る…

「これだ…これだ…」

三島は、柔らかく滑らかな女の皮膚の感触に酔いしれ…白い果実に張り付いた虫か何かのように乳房を這いずる…


ヌルヌル…ズリュュ…

「あぅぅぅ…」

裏筋に、ザラリとした感触…ゾクゾクして、陰茎が一気に固くなり、陰嚢がツーンと痺れる…

乳輪の皮膚が、性器に程よい刺激を与える…心地よい…

ズリ…ズリ…

腰が止まらない…局部で乳輪を刷り上げ…円を描くように腰を擦り付ける続ける…

ジーン…

男性器全体が冷たく痺れるような心地よさに包まれ…睾丸がヒクヒク脈うつ…

「あっ…ああ…」

三島はうっとりと目を閉じる…男根に乳首が絡みつき…亀頭に吸い付くようだ…

キュウッ…陰嚢が縮み上がり、体の芯を甘い感覚が貫いたる…

「出る…あああっ…」

ヒクッ…ヒクヒクヒク…

静の乳首を白く汚し…三島は果てた…


「はぁ…はぁ…」

三島は中腰で乳房にしがみついたまま無様な格好をさらしている。

静は、そんな三島を見下ろし…冷たく笑った。

「もう一度…ふふ…ではもう一度だけ…」

ズリ…ズニ…ズリ…ズニ…ズプ…チュク…

「!?」

三島のイチモツが、何かにはまり込んだ。

「なんだ?…あぁ…あぁぁぁぁ…」

ビクッ…ビクッ…ビクッ…

三島の体が硬直する…何かがイチモツに絡みつき…ヌチャヌチャ音を立ててしゃぶっているような…

「い…いいっ…いい…あ…」

三島の男根を…静の乳首が呑み込んでいた。


「ひっ!?」

一瞬驚いたが…

ヌチャヌチャ…ニュクンニュクン…

「う…あ…ああ…」

乳首の中の男根が、蕩けそうな快感を伝えてくると、また快楽の沼に引きずり込まれていく…

「ああ…」

たまらず腰を突く…ズブリ…

「ひぃ…」

今度は睾丸までが呑み込まれた。

モニュモニュモニュ…

男性器が全体が咀嚼される。

「!…!…」

三島が首を振る…局部が蕩けそうに心地よい…たまらない…

「如何です…」

「いい…いい…」

「後一度だけですよ…静の『乳の極み』を…」

「ああ…ああ…」

カクカクと頷く、三島…

「では…」


ビチャ…ビチャ…

「うぉぉぉ…」

静の乳首が、濡れた音を立てながら…三島の腰に張り付くように広がっていく…

まるで、ヒルかイソギンチャクのようだ…

そして、包み込まれた所は…生暖かく、痺れるような快楽に浸されていく…

(い…い…)

”ふふ…心地よいでしょう…”頭の中に、静の声が響く。

(あ…あ…)

”本当にこれが最後です…『乳の極み』は貴方が溶けてなくなってしまうまで続きますから…”

「なん…だって…ひぃぁぁぁぁ…」


ジュルル…乳首か一気に広がり…三島の尻までが包み込まれた…

ジュル…ジュル…菊門を舐めあげられる感触に、三島の背筋を妖しい感触が走り抜ける…

「ああ…溶ける…溶けてしまいそうだ…」

三島の体から力が抜けていく…ジュプッ…ジュプッ…

乳首に吸われるまま、三島の体が乳房にめり込む…

ズブリ…ズブズブ…

「あ…ああ…」

手が…乳房にめり込んだ…そしてズブズブと潜り込む…

ビクッ…ビクッ…

「ひ…う…」

乳房の中に包まれた所も…たちまち甘く痺れて…力が入らなくなっていく。

半ば無意識に、足を乳房にかけ突っ張ろうとする。

ズブ…ズブブ…ヒクヒクヒク…

「おぉぉぉ…」

腰が、四肢が…あり得ない快楽を伝えてくる…体が震えて止まらない…

”ふ…ふふ…さぁ…気持ちいいですか?…”

「あ…ああ…いい…気持ちいい…もっと…もっと…」

”貴方は…直に溶けてなくなります…いやですか?…”

「いい…溶ける…蕩ける…蕩かしてくれ…どうなってもいい!…」

”くすくす…よく言ってくださいました…これでユウジ様も…ではご褒美を…”

ジュブッ…ジュブッ…

静の乳房がのたうつ様に震える…

「ああ…ああ…ああ…いく…いくぅ!…」

三島の体が大きく振るえ『いった』…そして力が抜けた体がぐったりとなる…

何の抵抗もしなくなった三島の体が、白い果実にめり込み…中に沈んでいく…

ゴボッ…最後に息を吐く音を残し…三島の体は静の乳に呑み込まれた。


…………プニ…

…あれ…俺は…ここは?…

プニ…プニ…プニ…

誰だ…よせよくすぐったい…

三島は、目を開ける…薄暗い…

「ここは?…?…」

全身に柔らかい感触…プチプチ…プニプニ…

何かが体に吸い付き、離れる…妙な感触…

目が慣れてきた…狭い…人一人が入るかどうかという狭い空間に寝かされている。

背中の感触が柔らかい…三島はギョットする。

「まさか…棺おけ…」

洋式の棺おけを連想したのだ。 すぐに間違いに気づいた。

「おっぱい?」

目の前にぶら下がるそれは…女性の乳房…

「い…」

目の前だけではない…見渡す限り…いや、感触からしてこの空間の表面は、全て女性の乳で埋め尽くされている!?

「なに…うひゃゃゃ…」

モニモニモニ…空間が一気に縮まり、三島を包んだままモニモニと動き出した…

「いひ…や…ひ…」

プチプチ…モニュモニュ…無数の乳首が、彼に口付けし…離れる…

チュウ…チュウ…一つ一つが小さな口なのだろうか、吸われている…たまらなく心地よい…

ムニュムニュ…伸ばした手が、足が…乳房の間で揉まれる…

「あへ…た…」


ニュルルル…「あひっ!…」

乳房の一つが…乳首が口をあけ、いきりたった男根を呑み込んだ…

ニュムニュム…モニュモニュ…男根がまた舐めしゃぶられる感触…

「ひっ…ひっ…ひぃぃぃ…」

ジュルジュル…三島の出した『何か』を乳首が吸っている…

「出る…蕩けて…出て行く…あひ…ひひ…」

ジュル…ジュル…迸りが止まらない。

三島は、止まらぬ射精する快楽に浸らされる…

「ひ…干上がって…むっぷ?…」ニュム…チュプ…

乳首の一つが三島の口を捕らえ…何か甘いトロリとした物を流し込む…

「むぅ?…」

”召し上がりなさいませ…”

「ぐっ?…お…」こくっ…こくっ…こくっ…

一口飲むと、止まらなくなった…それに心がふわふわして…この状況が気にならなくなっていく。

(気持ちいい…吸われる…ああ、甘い…蕩ける…)


三島は、乳に揉まれ、乳に吸われ、乳を吸い続ける…

どこかで静の気配がした。

”『乳の極み』簡単には終りませぬ…うふふ…ゆるりとお楽しみを…身も心も逞しい貴方の事…蕩け切るまで10年は

楽しめましょう…ほほほほほほほ…”

三島は静の笑い声に包まれ…魔性の快楽に溶けていく…最後に思った。

(ああ…ここは極楽だ…)


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