紫陽花

17.マッサージ


くすくすくす…

三島の頭上から、笑い声がした…はっとして振り仰ぐ…

目…鼻…顔…

「!?」

静…彼女が、三島を覗き込んでいる…それは、乳房に見合った大きさがあった。

彼女の唇が歪む…笑ったようだ。 逆さに見る形なので、表情がわかりづらい。

「如何でした?…私の乳の感触は…」

「…何をした?…」三島は冷静を装ってきく。


「何をとは?…ふふ…」

静が微かに笑う。

三島はむっとした…馬鹿にされた…そう思ったのだ…

「こんなばかな事が…あってたまるか!…」

三島はそこから抜け出そうと、自分を捕らえている白くふくよかな柔丘に手をつく。

ムニュ…手が潜り込む…

(う…柔らかい…)その感触に戸惑う三島。


「くっ…」三島は、さらに力を込め、体を抜こうとする…

プルルルン…ゾククッッ…「お?…」

手が潜り込むんだ所が震え…柔らかく波打ち…プルプル…プルプル…

「あ…あ…」

フルフルとした動きは…三島の下半身にも伝わる…うずもれたイチモツが…腰が…存在感を増していく…

「あ…おぅ…おぅ…」

力が抜ける…フルフル…ブルブル…下半身がゼリーか何かのように揺すられる…心地よい…たまらなく心地よい…

「なんで…こんなに感じる…あ…あ…」


ふ…

背後…いや頭上で静が含み笑いを漏らす。

「失礼しました、私とした事が…『乳温泉』の効能を一つ言い忘れておりました…」

そう言って静の大きな指が、三島の背筋をそっと爪弾く…

ツッー…ゾクゾクゾクッ…

「ひっ…」背筋にキンと鋭い快感が走り、仰け反ってしまう。

「お体の感度が、大層よくなります…くすくすくす…」そう言って楽しそうに笑う静…

「なん…だって…」


「では、マッサージを…」

そう言って静は、乳房を両手で押さえ…プルプルプル…

「い…あぁぁぁぁぁ…」

三島は谷間で震える…乳房は、三島の下半身を心地よく揺すり…乳房と…男根が…細かく擦れ合う…

「よせ…あ…あう…いく…いってしまう…」

「たまらないでしょう…いつでもいってくださいまし…」

「あぁぁぁぁぁ…」

ヒクン…ヒクッヒクッヒクッ…

三島は『達した』…なんとも心地よい射精感…そしてすぐに甘ったるい乳の香りに包まれ…

「はぁ…」

力が抜け…人肌の温かみに包まれ…ぼーっと漂うような…


くすくすくす…

また、静が笑っている。

「くっ…」

三島の羞恥心が呼び起こされた。

(俺は…こいつのおもちゃじゃない!…)


「今のはお気に召されましたか?…」

「…」三島は、頭上の静の顔を睨みつける。

(いったいどういう仕掛けだ?…こんなことは…)

「…あり得ない。 そうお考えですね」

「考えが…読めるのか?」

「そのご様子では…読むまでもありません… ふ…」

三島はむっとする。

「俺…いや私の後輩達にも、こんな事をしたのか?…」

「趣向は違いますが… 皆様、大層喜ばれました。 とても…そして…うふ…ふふふふふ…」


ゾクッ…静の今の笑いに、背筋を寒くさせるような…恐ろしいような響きを感じた…わずかに躊躇し、先を促す。

「…そして?…」

「あまりの心地よさに…トロトロに蕩けて…」

「…」

「今は…私達と一つに…」

「馬鹿な事を…そんな事があるわけが…」

静の言う事を否定してみせる三島…だが…

(あの感触…あれを続けられたら…まさか…?…)

ゾクッ…ゾクゾクッ…

体の中に冷たいものが溜まって行くような感覚…恐怖?…それとも…


静は三島をの顔を凝視し…口元だけで微かに笑う。

「…まだ頭が固いようですわね…では頭の中まで揉みほぐして差し上げましょう…」

「え…おぉぉぉぉぉ…」

モニュモニュモニュ…静は、両の乳房を両手でゆっくり、大きく揉み始めた…

当然、双丘に挟み込まれた三島も…

ムニュムニュムニュ…

「い…い…い…」

今度は下半身全体に柔らかな感触が纏わりつき…一緒になってこね回される…

「や…や…や…」

言葉が出せない…また男根が…腰が…

「ああ…あああ?…ああ…」

尻が…足が…下半身全てが性器になってしまったかのように…感じる…感じる…

「い…いい…いい…」

下半身が…溶けてしまいそう…そして…だんだん上半身まで妙な感触に…

「や…やめて…やめ…」

三島はもがく…しかし…

「あぁぁぁ…ぁぁぁ…」

トロッ…トロー…トローリ…なんとも言えぬ感覚…体が柔らかく…柔らかく…周りの乳房と溶け合うかのように…蕩けていくような…

「溶け…と…なん…いい…」

三島は、その感触に溺れていく…ヒクヒクとひきつけたように、三島の上半身が不自然にのたうつ…


静は楽しそうにその様子を眺め…

「三島様…風邪を召されますよ…首までしっかり浸かりましょう…」

そう言って、静は乳を大きく揺する…

ズッ…ズルッ…

「ああっ…ああっ…」

三島の体が、再び谷間に呑まれていく…ジュルッ…ジュルッ…

そして、三島の体は…首を残しズッポリと乳の谷間にはまり込んでしまった…

「あああっ…あっ…ああっ…」

意味不明の呻きをもらす三島…そして…目がトロンと曇り…表情が陶然としたものに…

「はぁ…はあぅぅ…なんて…蕩けそう…」

ゆっくり首を巡らし…うっとりと呟く…


「如何ですか…静の『乳加減』は?…」

静の問いに、三島は陶然とした様子で答える。

「ああっ…いい…いい…柔らかくて…暖かくて…このまま…ずっと…」

「くす…ご納得頂けたようですね。 では、ユウジ様の『説得』を…」


静は、口をすぼめ軽く息を吐く…フゥッ…

静の息に合わせて、湯船の辺りに立ち込めていた湯気が吹き散らされる…


静の正面に、全裸のユウジが立っていた。

ユウジは、二人の姿を目の当たりにして絶句した…


【<<】【>>】


【紫陽花:目次】

【小説の部屋:トップ】