紫陽花

7.童貞喪失


マリアが立ち上がり、ユウジの手を取る。

「…行きましょう…」

ユウジは、マリアに導かれるまま奥に進み…個室に通された。

バス、洗い場、ベッド…ユウジは部屋を見渡し、マリアに向き直り…目を見張った。

すでに彼女は生まれたままの姿になっている。

「…」ユウジはちょっと驚き…マリアの姿に見とれる…黒く長い髪、豊かな乳房…

立ち尽くすユウジを見て…マリアが微笑み…手を広げて招く…

「来て…」

(ああ…)

フラ…意識せず足が前に出る…一歩…また一歩…そしてユウジはマリアの腕の中に…

ヌチュルルルルルル…(はぅ……)

…マリアの体は濡れていた…汗ではない…ヌルヌルしたその液体の感触が、マリアに捕らえられたという感を強くす

る…

「マリア…さん…濡れてる…」

「これは…私の『愛』よ…」

「『愛』?…あん…」ユウジには、マリアのその言葉を深く考える暇は与えられなかった…

マリアの腕が、シャツの中にヌルリともぐりこみ、背中をなで…いや這い回る…

ヌル…ヌルヌルヌル…(う…うぅぅぅ…)

ゾクゾクゾク…(…気色いい…はぁぁ…)

ユウジは、マリアが体を弄る感触に硬直し…滑る快感に身を任せていく…

(…背中を…大きなナメクジが這い回っているみたいだ…)

ヌル…ヌチュルルルルル…ゾクン…ゾクン…ゾクン…ゾクン…(あぁぁぁ…たまらない…)

体が…滑る液体に覆われていく…体の自由が…心も…マリアにのものに……

(マリア…マリア…)

ヌルヌル…ヌルヌル…ヌルヌル…ヌルヌル…ヌルヌル…

人形のように立ち尽くすユウジ…その体にマリアの『愛』が粘りついて……


いつの間にか…二人は裸でベッドに横たわり…互いの性器を舐めあっていた…

ジュルルル…濡れた唇が、ユウジの男根を咥え、睾丸を吸い込み、亀頭に歯を立てる…

ユウジも、マリアの淫肉をはみ、肉の芽に舌を這わす…

(あああ…)

声が出ない…濡れたマリアの体…その全てがユウジを引き寄せ…離れられない…

舐めれば舌が、摩れば手が、擦りつければ男根が…深く、甘く、重い痺れに捕らえられる…

ユウジの体はヒクヒクと蠢き…マリアの体を愛撫し続ける…自分自身を快楽の中に引き込んでいく…


そして、マリアの体も…跳ね、震え、蠢いて…ユウジの体に自分の思いを刻み込む…

ユウジは、それをマリアの声として聞く…

(舐めて…)(触って…)(摩って…)

ユウジはマリアの求めるままに動く…マリアの体がユウジの愛撫に悶え、それがユウジを深みに誘う…


マリアの口から、たっぷりとした粘る液体が流れ出す…それはトロトロと、ユウジの下半身に絡みつき包み込んでいく



(…ペニスが…温かい…)…マリアの唾液を浴びたユウジ自身が…「怒張」という言葉に恥じない勢いで膨らんでいく

と、マリアの舌が、あやす様に、亀頭に舌を這わしてくれた…

(マリア…口も…愛して…)ユウジの舌が、マリアの女陰に潜り込みおねだりをする。

マリアの「女」は、甘えるユウジの望むまま、暖かな愛液をトロトロと流し…ユウジの顔から胸を包み込む…

ピチャピチャと…濡れる女の肉襞…始めてみるその異様な物体が…震えながらユウジを誘う…

(もっと舐めて…もっと触って…中に来て…奥に…)


ふと、ユウジの瞳が、鏡に映る自分達の姿を捉えた。

粘る液体に包まれ、薄暗い照明の照り返しで光る二人…絡み合い、貪りあう2匹のナメクジ…

(…?…)意識を鏡に集中する…マリアと自分だ…


マリア…その女性器が拗ねるように蠢く…(嫌…他の事なんか考えないで…もっと私に溺れて…)

ジュルルル…マリアが音を立てて、ユウジ自身を吸い上げる…

ズキッ…ズクッ…ズクッ…ズクッ…マリアの口は、ヌルヌルする淫らな泉…そこに引きずり込まれたユウジ自身に、疼く

ような快感が次々に生まれ…

ゾクッ…ゾクゾクゾク…(ぅう…)…男根から背筋に掛けて、甘く痺れる快感が次々に昇ってくる…

ジーン…頭の芯に痺れが…体が快感に硬直する…

「あぅ…ああっ…ああっ…来る…」こみ上げてくる…

…溶ける…溶ける…溶けて…ユウジは快感に身を委ねた…

「うぁぁぁぁぁ!…」ギュゥゥゥゥッと陰嚢が縮まり…快感が凝縮され…弾けた…ドボッ…ドボドボ…ユウジはマリアの口

に放った…

(ゴクッ…ゴクッ…)マリアが…溶けた自分を呑んでいる…

(…マリアさん…)…気だるい余韻に浸り…気が遠くなっていった…


ピト…頬に冷たいものが当てられた。

薄く目を開けるとマリアの顔が眼前にあった…

「マリア…さん…」

「失神するなんて…女の子みたいよ…」マリアが軽く笑う。

「ごめんなさい…SEXってこんなにいいなんて?…!…」

ユウジの顔に怯えが走った…マリアの瞳に青い情欲の炎が燃えている…

「…うふ…まだまだ…本番はこれから…」ペロ…マリアが舌なめずりをする…


ズリ…ユウジは、思わず後ずさる…が…

スルリ…マリアのほうが速い、ユウジを抱き寄せふくよかな胸に抱きしめる…

フワッ…マリアの香りに包まれ、視界が双丘でふさがれた…

「むっわぷ…」一瞬、マリアにむせた。

「ちょ…うあ?…」

マリアはユウジに覆いかぶさり、激しく性器を擦り付ける…

ヌル…チュルルル…チュルルル…チュルルル…

「う…ぅぅぅぅ…」

マリアの「女」が、『愛』を男根に塗りつける…男根はビクビクと振るえ、亀頭をあらわにしてしまう…

ビクッビクッビクッ…「女」の感触で固くなった亀頭の先端が、ビラビラと秘肉に撫でられ滴りでヌルヌルに光る…


マリアが動きを止め、体を起こす…開放されたユウジのイチモツがピンと天を向く…

マリアはユウジを跨ぎ、亀頭に女陰を宛がった…

フニ…鈴口に柔らかな感触…

女陰がユウジの男根に優しく囁く(…いいわ…おいで…)

ユウジの男根が…マリアに導かれ…『愛』のあふれ出る穴に頭を入れる…

ヌチャッ…「…くうっ…」亀頭が秘肉に捕まり…じわじわと呑み込まれて行く…

「あぁ!…あ!…あ!…」蕩けそうに柔らかい肉が亀頭にまとわりつくヌメヌメとした感触はこの世のものとは思えない…

ヌチャヌチャヌチャ…「うあ…マ…あう…」…男根が入って行くに連れ…快感が深く…深く…男根の芯までしみ込み…

チュン…チュュュン…睾丸をくすぐる…

「!…あぅ!…おぉ!…」呻きながら少しずつ腰を振るユウジ…


「はぁ…ユウジ…いい…」マリアの息も荒くなってきた…

「マリア…さん…ヌルヌルで…柔らかい…蕩けそう…」

ユウジの手をマリアが握り、ユウジも握り返す…

ジュプ…ジュプ…マリアの秘穴が、ユウジを呑み込んで行くにつれ…男根が心地よく締め上げられる…

「ぅぅ…締まる…」

ユウジの腰がくねくねと、蠢く…生まれて始めての感触…腰が勝手に動き…男としての努めを果たそうとする…

ビチャビチャ…マリアの女陰は、痺れ蕩ける快楽をユウジの下半身に注ぎ…男根をズルリズルリと呑み込んで行く…

「あぁ…たまらないよぉ…」

「もっと…深く…もっと…来て…」

マリアの命じるまま、ユウジの腰が動き…マリアの胸を優しく揉む…


ユウジの体は、しなやかに動いてマリアを愛し、マリアもユウジを包み込む…

テラテラと濡れて光る二人の体は、巨大な性器と化し、一つの生き物の様に妖しく蠢く…

その中でユウジの魂は、ただ快楽に漂う…

フワ…トロ…トロリ…

(何て…いい気持ち…)

ユウジは陶然とした表情でため息を漏らす…

「はぁ…こんなに…いいんだ…女の人って…」


ユウジの腰の動きが、深くなってきた…(マリアさんの…もっと奥に…いきたい…)

ジュプ…ビチャ…ヌチャ…ハァ…ハァ…ハァ…

二人の息が揃って荒くなっていく…

ギュゥゥゥ…二人が同時にお互いの体を強く抱きしめ…ビクビクビクビク…マリアの腹が妖しく波打つ…中でユウジの

ものが精を吐き出し…それを搾り取っているようだ…

ズルリ…ユウジの体がベッドに崩れ落ちる…

ユウジは、再び心地よい暗黒に沈んで行く…


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