紫陽花

5.『洗脳』


「…『洗脳』…」ひどく禍々しい響きの言葉に、ヨシミツは恐怖で身を硬くする。

「私の目を見て…目を逸らさないで…」

言われるまでもなく、静の目から視線が外せない…時間がゆっくりになっていく…身動きできない…


「んしょんしょ」「よいしょ」

元気な声を出しながら、二人の金髪幼女は硬直しているヨシミツの両肩に馬乗りになる…そして…

プニ…股間を側頭部に押し付ける…

(ひえ…この感触は…)

ヨシミツの耳は、両側から柔らかく濡れた肉で塞がれた…

チュク…チュク…幼い淫肉が擦れる音が…次第に湿っぽく…

ブチュッ…ヌルッ…「あふぅん…」「はぁはぁ…」

ズクッ…(…?…耳が…感じる?…)キン…(うん…)…ツ…キン…(あん…)キーン…(は…あ?…)

ヨシミツの耳は…二人の愛撫を心地よいものと感じていた…微かな耳鳴りと共に…頭の中が変になっていく…

(…なんだろう…ぼーっとして…心が…軽く…)

ヨシミツの目が空ろになっていく…


『私の声が聞こえますね…』ヨシミツの頭の中に静の声が響く…聞こえるはずが無いのに…

ヨシミツは、静の瞳を凝視したまま僅かに頷く。

静は、手で真紀と真美に合図した。

二人は頷く…


プチュ…チュゥ…フニュ…

二人は、ヨシミツの耳に激しく女陰を擦り付け…悶える…

「あん…ああん…」「お兄ちゃん…お兄ちゃん…」

チュク…チュク…トロ…ヌチャ…ヌチャ…ジュップ…

感じ始めたのか…たちまちヨシミツの耳が二人の愛液で濡れていく…

ジュプ…ドップ…

ビクン…ヨシミツの体が一度…動いた…

「あああ…入ってくる…耳から…」

空ろな目でヨシミツが呻く…


ジュルン…ジュルン…テロ…テロ…テロ…

ありえない…だが…ヨシミツは、両の耳から二人の愛液が流れ込み…頭の中に溜まっていくのを感じていた…

だが、静に見つめられ身動きできない…

タプ…タプ…脳が…真紀と真美の愛液付けになっていく…

「ああ…変だよ…こんなの…」

『苦しいですか?…』

苦しくは無い…いや…両の耳に加えられる感触…耳朶が熱い…頭の中が生暖かく…

二人の愛液が…脳を洗う…

「…はあぁぁ…気持ちいい…」ヨシミツの目は…トロンからドロンに…ポカンと口を空け『洗脳』の快感に浸っている…


『宜しいようですね…では…ユウジ様への怒りを思い出しなさい…』

「え…」

『強く念じるのです…』

ヨシミツは言われるままに、ユウジに腹を立てていた事を思い出す…一瞬怒りで頭が沸騰する…

「ああん」真紀が可愛く鳴いて、ひときわ強く…ジュププ…ドボリ…

「うおぅ…あれ?…」

頭の中にトロリとした波が押し寄せてきた…と思ったら怒りが消えた…何に怒っていたのかわからなくなった…そして…

トロー…頭の中が蕩けていくような快感が押し寄せてくる…

「ふぁぁ…溶けちゃいそう…」

『気持ち良いでしょう…浸っていなさい…怒りも悩みも…愛液に溶かして…吸い出してあげます…』

静が言う。

ヨシミツには、それを理解することはできなかった…ただ快楽の『洗脳』に溺れるのみ…

「…あは…いいよぉ…もっと…『洗脳』して…」

それを聞くと、両肩の二人はいっそう激しく股間を擦り付けてくる…


どのくらいたったろう…ヨシミツの目は宙を彷徨い、口からは涎が垂れ始めた…

「静姉さま…このぐらいにしないと…」アロマが心配そうに言う。

「ええ…二人とも…吸って…」

静が命じると、真紀と真美は腰を激しくグラインドさせ、ヨシミツの耳を女陰に呑み込み…

「ああん!はぁん!」「あふぅ!」

ビチュビチュ…いやらしい音が、耳の中いっぱいに響き渡り…


ジュゥゥゥゥゥゥ…二人の女陰が強烈に耳の中を吸い上げる…

両耳にツーンとした感覚が生じ…次第に強く大きくなっていく…それが、男根に感じるのと同じような快感だと気がつ

いたとき…

「う、うぁぁぁぁぁぁぁ!…」

ヨシミツの頭の中で、熱い高まりが破裂した…頭が睾丸、耳が亀頭になったような奇妙な絶頂…

そして両の耳から、トロトロしたものが噴出し…真紀と真美の中に呑み込まれて行った。


「はぁぁぁ…」「お兄ちゃん…よかった…」二人はするすると、両肩から降りた。

ヨシミツは、頭をたれ、荒い息をついている…


静が声を掛ける。

「ヨシミツ様…ユウジ様をお連れいただけますね…」

ヨシミツが顔を上げ、答える。

「はい、静さん。 必ず連れて来ます…」

ヨシミツは、彼女達の操り人形と化した…


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