ハニー・ビー

6-07 生誕の儀式(2)


 はっ……

 少年の唇から甘い喘ぎが漏れる。 いや、もう少年とは呼べないだろう。 

 吐息に合わせて上下する肩の下、その胸はつつましくもはっきりと膨らみ。 男の証があるべき場所では、

肉の唇が蜜を垂らし、その狭間にルウが男であった捕らえ、咀嚼しようとしていた。

 くふぅ……

 赤みを増した唇から桃色の唇がそろりと覗き、上唇を湿らせた。

 グチュ……グチュ……

 すらりとした足の間で濡れた音が響くと、ルウは膝と手を突き、四つんばいになった。

 「吸い込まれそう……うふ、玉が転がって……あん、先の方が……この、出っ張りが好き……」

 ルウは少年と女の狭間にいた。 じわじわと女に変貌していく体は、女に翻弄される少年と、少年を『食べる』女、

その両方の快楽を醸し出し、ルウの魂を溺れさせる。

 はぁ……あは……

 ルウは、呻き声を上げつつ尻を振リ始めた。 別の生き物の様に蠢く女の形をした『モノ』が、蜜を垂らし『少年』の

最後のかけらを呑み込もうとしている。

 「あ……熱い……」

 ルウは、体が熱くなってきたのを感じた。 一際熱い塊が、下腹の中でうねっている。

 「くる……入ってくる……あー!」

 ズン! 

 あついく柔らかい衝撃が、下腹を叩いた。 女の絶頂が、ルウの体を一気に走り抜ける。

 「!」

 下草を握り締め、ルウは仰け反った。 目を見開き、全身を震わせて女の歓びを存分に味わい、そして崩れ落ちた。

 ……

 しばしの静寂が辺りを支配する。


 「ルウ」

 女王が呼びかけると、地面に伏していたルウが体を起こした。 つつましく膨らんだ胸をはらって草を落とし、横ずわりの

姿勢で女王に向き直る。

 「……」

 女と呼ぶには、ルウの体は幼さを残していたが、同時に不自然なほどの色気と妖しさを放っていた。

 女王は複眼でルウの体を眺めると一つ頷き、その秘所から一本の触手を繰り出す。 それは地を這って、ルウに近寄り、

その膝先に軽く触れた。

 「……」

 ルウは、細くなった手で触手を恭しく掬い上げ軽く口づけし女王を見る。 女王はルウの視線に再び頷く。

 「……」

 ルウは、膝を立てて座りなおし、触手の先端を出来たばかりの秘所に導いた。 触手はピクリと振るえ、ルウの谷間に

吸い付き、其処をなぞりだした。

 あ……

 滑る触手が、二つの陰唇をこすり上げつつ、女の真珠を摩りあげる。

 ルウは、真珠から伝わってくる快感に振るえ、吐息を漏らした。


 「体を開くがよい、感じるままに」

 ルウは草むらに横たわり、足を開いて膝を立てる。

 露になったルウの秘所に、女王の触手が再度にじり寄り、渦を巻くようにしてそこを刺激する。

 くっ……

 ルウは、思わず人差し指を咥え、その秘所が女の蜜でじっとりと濡れ、ゆるりと口を開けた。

 ニュル……

 触手は蜜で光る其処に浅く入り、出る。 時に捩れ、時に震え、ルウの秘所に少しずつ入ってくる。

 あ……あ……

 それは優しい、愛情に溢れた挿入だった。 ルウの体は次第にほぐれ、女王の触手を受け入れ、やがて自分から誘っていく。

 「お願い……もっと……もっと奥に」

 うわ言の様なルウの『お願い』のままに、女王の触手は次第に奥へ入っていく……そしてついに。

 「!」

 ルウの奥深くに触手が到達した。 ルウは胎内で女王の触手がうねり、熱い蜜を注ぎ込むのを感じた。

 「あ……」

 何とも幸せな快感がお腹の中に生まれた。 その快感に浸り、ルウの思考が止まる。

 ”ルウ……私のルウ……”

 女王の呼びかけが、ルウの魂に響き渡る。

 ”私の愛を受け取りなさい”

 ”はい、女王様。 愛して……ルウを”


 ルウの中で女王の『愛』、甘い蜜が溢れる。

 ルウは再び女の歓びに浸りつつ、体の中に『蜜』が、そしてワスピーの魂が染み込んでくるのを感じた。

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