ハニー・ビー

4-04 第一次変態


 タン。

 軽い音を立て戸が閉められ、男の子たちがちょっと顔を見合わせる。

 ここは孤児院の一室、男の子達が寝所に使っている部屋だ。

 彼らは戸に背を向け、ベッドの上や床に座って窓の方をみている。

 窓際に置かれたベッドにはアレスと、ワスプ=アンがこちらを見て腰掛けていた。

 (何が始まるんだろう)

 アレスより一つ年少のダニーの頭に、ふっとそんな考えが浮かんだ。

 ”素敵なものがミられるわ”

 ダニーの肩のワスピーが囁く。 彼女は昼間、ダニーを『選んだ』のだ。


 少年少女達の働きでワスピー達が解放された。 彼女達はひとしきり喜びの舞を舞った後、子供たちの所にやってきて、彼女達の

パートナーとして子供達を『選んだ』。

 意味は分からなかったが、『選ばれた』と聞くとなんだか嬉しくなった。

 そして夕飯の後、女の子と男の子に別れて『大人になる為の勉強』をしてもらうことになったのだ。


 「素敵なこと? また、あの変なことをするんだ」 

 ”あら、アレがキらイなの?”

 「そ、そんなことない!……」


 昨晩、突然アン=ワスプが彼らの部屋にやって来たのだ。

 人間だったアンが、突然ワスプになって現れたので、みな怖がり泣き出す子供もいた。 しかし、アン=ワスプの複眼が虹色に輝くと、

恐怖はすぐに消え、みな素直にアンの話を聞く気になった。

 ワスピーの女王様が森に封印されていることを聞くと、どうしても女王様を助けないといけないという気持ちになり、皆で力をあわせて

封印をといたのだ。

 その作業中に、ダニーの心に時々(なぜ僕達はこんなことをしているんだろう)という疑念がわいて来たのを覚えていた。

 その都度、アン=ワスプやベティ=ワスプが、彼を物陰に連れていって、『変なこと』をしたのだ。

 『変なこと』をされると、頭がぼーっとして余計な考えが浮かばなくなる。 

 最後のころは、『変なこと』をされるのを、心待ちにしていたので、作業が終わったのが残念なほどだった。

 ダニーは、『変なこと』をしてもらえるのなら、むしろ嬉しかった。


 ”始まるわよ”

 ワスピーの囁きに、ダニーはアレスとアン=ワスプに注意を戻す。 いつの間にか、二人は裸になっていた。

 アン=ワスプは、アレスの頭をそっとかき抱く。

 アレスは豊満なアンの乳房に顔を埋め、頭を振るようにしてアンの乳房を刺激する。


 ”ああやっておっぱいを刺激されると、ワスプはとっても気持ちよくなって、お乳がよく出るようになるの”

 「お乳が?……」


 アンは愉悦の喘ぎを漏らし、彼女の乳房がヒクヒクと脈打つ。

 脈打ちながら乳房が少しずつ膨らみ、乳首が立っていき、そしてついに乳が激しく噴出した。

 
 『あっ!』 少年達は、つい驚きの声を漏らした。


 アンの乳がアレスの顔や、胸を白く染める。

 アレスは切なそうな顔になり、アンの乳首を咥え、喉を鳴らして乳をのむ。

 コクッ、コクッ。 アレスが乳を嚥下する音が聞こえるほど、部屋は静まり返っている。

 やがてアレスが口を離すと、白く染まった唇とそそり立つ乳首の間に、白い糸が引かれた。

 ”……あっ……ああっ……”

 アレスが呻き、股間を押さえる。 すると、アンが彼を優しく押し倒して仰向けにし、アレスの手をどけさせた。

 アレスの股間のモノは、グロテスクに膨れ上がりのたうっている。

 一方、アレスのモノの付け根の辺りが盛り上がり、こちらは違うリズムで蠢いている。

 
 「あ、あれはなんなの?」

 ”アレスのなかニ、『女』がうまれてイるのよ。 ほら、アレスの『男』が『女』ニ食べられてイく”


 ビクリ、ビクリ…… アレスの股間にビラビラした肉の幕、陰唇がが生まれ、陰嚢と陰茎のを下から挟み込んだ。

 アレス本人とは別の生き物の様に陰唇が蠢き、彼の股間のモノを根元から胎内に引きずり込んでいく。

 「あっ……あっあっあっ……」 得体の知れない感触は、『女の快楽』に変わってアレスを犯していく。

 アレスのモノと一緒に、『男としてのアレス』も『女』に引きずり込まれていくようだ。

 
 「アレスが苦しそうだよ」

 ”イイえ、違うのよ”

 ダニーはワスピーの方を見る。

 ”気持ちイイの……信ジられなイほど”

 「気持ちいい……」

 ”そう” ワスピーが顔をダニーに近づけ、ダニーがわずかに引く。

 ”お乳の力で、体が内側から蕩けて『女』に代わっているのよ。 それはたまらなく、気持ちイイの。 身も心も『女』ニなるのは”

 ねっとりとしたワスピーの囁きに、ダニーは思わずつばを飲み込んだ。

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