ハニー・ビー

2-07 捕らわれるアレス


 「あのシスター……」

 ルウの声に、孤児院の裏で掃除をしていたシスター・ソフィアが、笑顔で振り返った。

 「なにかしら?」

 「あの……なにか、最近アン姉さまや、アレスたちが……変わったような」

 ルウは口ごもった。 彼は、アンやアレスに違和感を覚えつつあったのだ。

 「ルウ、人は変わりながら大人になっていくのですよ」

 シスター・ソフィアは厳かに諭す。

 「……大人に」

 呟くルウに、シスターは頷いてみせた。

 ルウはペコリと頭を下げ、表のほうに駆けて行った。

 「そう、人は変わっていくの……」

 ルウを見送りつつ、抑揚のない声でシスターは呟いた。


 その夜、アレスはいつもの様にワスピーに誘われ、夢に入った。

 「あは……こんな事、みんなは知らないだろうな」 やや得意げなアレス。

 「くふふ、そうでもなイかも……」

 「え?」

 首を傾げたアレスに、ワスピー顔を近づけて続ける。

 「ワスピーはティムのところにも、ベンジーのところにもイる」

 「あ……そ、そうだよね」

 アレスは頷き、目をぱちぱちさせる。 その事を全く考えていなかったのだ。

 「うふふ……ね、他の子たちがどうしてるか、気にならない?」

 「へ?」

 アレスは間の抜けた声をあげ、次に顔を赤らめる。

 「き、気にならないよ!」 声が上ずり、本心は丸見えである。

 「そう?……ね……」

 ワスピーが、じっとアレスを見つめる。

 「見てみない?……他の人の夢を……」

 アレスは誘惑に負けた。


 「ひっ!!」

 アレスは目の前の光景に硬直した。 ワスピーがティムに跨って、盛んに腰を振っている。

 「あ、あ、あ……」

 「何を驚いているの?」 アレスのワスピーが、彼の背後から、からかう様に言った。 

 「だっ、だって。 あ、あれ……」

 確かにアレスは、他人の行為を見るのははじめてだった。 しかし彼がショクを受けたのは、それだけが理由ではなかった。

 「あれを……あれを……」

 ティムとワスピーは、腰を密着させている。 つまり、アレスとワスピーが互いに口で舐めていたものを、二人は結合させているのだ。

 「ふふふ……あれが本当の大人の楽しみ方なのよ……」

 「大人の?……でもでも! ティムが苦しそうだよ!」


 あっ、あああっ!


 ティムは口をあけ、激しく喘いぎ、手を振り回している。

 と、ティムのワスピーがティムの手を自分の手で掴み、体をティムにかぶせる様にする。


 あっ……あっ……駄目……溶ける……溶けちゃう……

 ククク……テイム……堪らなイだろう……

 いい……こんな……凄くいい……


 「!」

 アレスの目が、驚きに見開かれる。 同時にティム達の姿が消え、辺りが静かになった。

 「あ……あれ……どうして」

 「最後まで見るなんて、礼儀ニ反するわよ?」

 「あ……いや……その」

 「くふふふ……『どうシて、ティムみたイにシてくれなかったかの?』かシら」

 アレスは真っ赤になって、顔を伏せた。

 その耳元に、ワスピーが唇を寄せてささやく。

 「シたイんでシょう……あれを……」

 アレスは顔を上げた。

 「あ……」

 ワスピーがこっちを見ていた。 しかし、いつもと違う何かを感じる。 まるで彼を食べようとしているかの様だ……

 「……あ……あの……」

 しかしアレスは逆らえなかった、こみ上げてくる気持ちに。 ティムみたいにされたい。 ワスピーのアレと自分のモノを……したい。

 「お願い……して……」


 トス……

 アレスは、ベッドに組み敷かれた。

 期待と不安に震える少年の肢体が、緑色の女体の下で震えている。

 「かわイイ……クフフフフフフフ……」

 ワスピーは腰を押し付けると、乱暴に前後に滑らしてきた。

 「きゃっ!?……痛いよ!」

 抗議するアレスをワスピーがにらむ。 いつもと違うワスピーの様子に、アレスの方が口をつぐんでしまう

 フフッ……

 ワスピーは、アレス縮こまったモノに、自分の淫裂を激しくこすり付ける。

 彼女の淫裂からみるみる蜜があふれ出し、少年のモノにネットリと絡みついた。

 うっ……

 ネトネトした感触に、アレスのモノはたちまち固くなり、ワスピーの下腹を叩く。

 するとワスピーは、腰の動きを大きくし、自分の股間を少年のモノに勢い良くぶつけてきた。

 うぁっ!?

 一瞬で、アレス自身がワスピーに呑み込まれた。 熱くネットリとした何かが、彼のモノをきつく締め上げている。

 ウフゥ……アハァ……

 ワスピーは吐息を漏らしながら体を起こし、アレスの腰に跨った格好になり、そしてまっすぐアレスを見て笑い声を上げた。

 フフ……ウフフ……アハハハハ……

 一頻り笑った後、彼女は呟いた。

 クフフ……捕まえた。

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