ハニー・ビー

2-05 蜜の味


 沐浴の後、子供たち震えながらベッドに潜り込んだ。

 冷えた体が温もる頃、子供たちは夢の国に旅立つ、今日も。


 アレス……アレス……

 アレスは自分を呼ぶ声で目覚めた。

 いや、逆だ。 ここはワスピーの夢の国、二人だけの秘密の世界。

 「ワスピーさん……」

 緑色の大人の女体が、アレスに擦り寄ると、彼の頭を抱きよせ、乳の谷間に顔を埋めさせる。

 「……」

 アレスは目を閉じ、そっと顔を上下させて顔全体でワスピーの乳房の感触を楽しむ。

 フフ……

 ワスピーの手が、アレスの股間滑り込んで来て、彼の大事なところを撫でた。

 「ひゃっ!」

 アレスはびっくりして、ワスピーの手を払いのけた。

 「あっ……ごめんなさい。 あの、そこは……」

 顔を赤らめて、しどろもどろになるアレス。

 すると、ワスピーは彼の顎をくいっと持ち上げ、その顔を覗き込む。

 「あ……」

 優しく瞬くワスピーの目。 虹色の渦が、アレスの目をひきつける。

 「アレスはちゃんと沐浴したね」

 「あ、うん……」

 「それに、ここは夢の中」

 「うん……でも」

 「触られるのは……イヤ?」

 「……」

 アレスはしばらく黙っていたが、ついに首を横に振った。

 「いや……じゃないです」

 「もっと……触って欲しい?」

 再び沈黙、そして。

 「はい……」

 クフフフ……

 ワスピーは喉を鳴らして笑い、アレスの股間に手を伸ばす。

 あ…… アレスが身を震わせた。


 ワスピーの指が、少年の性器に絡みつき、感じるところを探して蠢く。

 小さな性の証は、妖しい女の技に翻弄されて、固くしこって震える。 

 やん……

 アレスの体は、当人が意識しないままワスピーの指から逃れようとした。 しかし、緑色の足が腰に絡み付いてきて、逆に引き寄せられる。

 あん……

 ワスピーの指が、蕾の様な皮の間に滑り込んできて、くるりと円を描いた。

 あっ?……

 魔法の様に亀の頭がむき出しになり、新鮮な刺激がアレスを驚かせる。

 フフフフフ……

 大人になったばかりの少年の性の証、ワスピーはそこをソフトに、ゆっくりと、そして執拗に撫で摩る。

 ……

 初めて感じる不思議な感覚に少年は戸惑い、ワスピーに抱きしめられたまま、自分の性器を操るワスピーの指を凝視する。 

 緑色の指は、震える小亀の頭をなで、エラの裏を軽く引っかき、鈴口を爪弾く。

 あ……あん……

 指の動きの一つ一つが、心に響き、股間が疼く。 『変』としか表現できない何かに、彼の大事なところで渦巻いている。

 「ウフフ……やめて欲しい?」

 アレスが首をぶんぶんと横にふる。

 「いや、お願い、やめないで……」

 ワスピーは、アレスの望みどおりにした。

 緑色の指は、ますます深く、強く、少年をもてあそぶ。

 経験のない少年は、指に翻弄され、なぶられ、そして支配されていく。


 はっ……はっ……はっ……くる……くるよ……

 アレスの大事なところが、ヒクヒクと脈打ち出した。 

 生暖かい、形容しがたい感覚が、背筋を駆け上ってくる。 そして、それが頭に到達した時。

 !……あああああ……

 少年の体が弓なりに反り返り、白い絶頂を受け止める。

 フッ……

 ワスピーは少年の体を抱きしめ、手の中のものを優しくしごいて、少年の絶頂を長引かせた。

 ドクドクドクドク……

 出ている。 何かが出ている。 粘っこい何かが……

 でも彼はに止められない。 初めての絶頂に体を支配され、感じるだけで精一杯だ。


 あ……あ……あぁ

 興奮が鎮まり、体の力が抜けていく。

 余韻に浸るアレス、その瞳をワスピーが覗き込み、妖しい光の明滅で心の隙に忍び込む。

 「フフ……変な感じだったでしょう……それが、キ・モ・チ・イ・イ・コ・ト……なのよ」

 キ モ チ イ イ … …

 アレスの心の空白に、ワスピーの言葉が刻み込まれる。

 「わかるわね? 私に触られると、とても気持ちいいのよ」

 ワ ス ピ ー キ モ チ イ イ … …

 アレスの心ので繰り返されるフレーズ、それがいつしか口に出る。

 「ワスピーに触られると気持ちいい……気持ちいいのは……好き……アレスは好き……ワスピーが好き……アレスはワスピーが

好き……大好き……」

 空ろな目で呟き続けるアレスの口に、ワスピーが乳房を宛がう。

 トロ……

 甘い、とても甘い蜜が糸を引いて垂れ、アレスの口に滴り落ちる。

 「甘いの……ワスピーは甘いの……甘いの好き……ワスピーの蜜も好き……」

 アレスが笑った。 いや、アレスの目は空ろなままだ。 口だ、口だけが笑みの形になったのだ。

 「ワスピー好き……して……アレスに気持ちいいことして……」

 甘く妖しい夢の中、アレスはワスピーに教えられた。

 とっても気持ちのいいことを。

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