教会[ファーザー]

6:篭絡


朝が来る…昨夜のことを思い出し…絶望する…
女になってしまえば…ジェラに逆らえない…それどころか…喜んで従ってしまう…
夢魔に捕らえられるとはこういう事なのかと…

心の中にあきらめと…期待が広がる…
”ジェラから逃げる手段は無い…そして…ジェラと一つになってしまう…”
いつのまにか、ファーザーは心のなかで夢魔になる事への言い訳を探していた…
気が付いているのか…認めたくないのか…
心の底ではジェラを求めていた…ジェラの魔性の愛を受け入れていたのかも…

策も見つからぬまま…いや…もう策を探そうともしないまま…ファーザーは夜を迎えた…
そして…眠りにつく…

夢の中でファーザーは相変わらず裸だ…まだ男…ベッドに腰掛けている…
ジェラが背後から抱きつき、ファーザーに囁く…
”どうしたの…元気ないわよ…”
”……”ファーザーは答えない。
”くす…『知ってるくせに…』って顔ね…ファーザー…好きよ…”
つぃ、とジェラの指がファーザーの顎をとらえ自分の方を向かせる。
そして軽い口づけ…ビクン、はっきりわかるほどファーザーが震える…しかし、ジェラは甘い息を吹き込まない…
ファーザーの顔に、落胆の色がある…もはやファーザーはジェラの虜であった…

ジェラはファーザーをベッドに押し倒す…
”ファーザー…男のまま…あたしを感じて…”
ベッドの上で、ジェラと、ファーザーが抱き合う…互いの口を求め…体をまさぐる次第に激しく…
ジェラは口でファーザの男根を捕らえる…ファーザーの口がジェラの女性自身を舐めあげる…
”ふぁ…”
”あは…”
互いの性器がゾクゾクした快感に包まれる…夢中でせめる…せめぎあう…
”わかる?…ファーザー…”
”?”ジェラの言う事がわからない…
”いまあなたの舐めているそこが…あなたのものになるのよ…”
”!…ジェラ…”
”あなたが抱いているこの体が…あなたの体になるのよ…”
”この体が欲しい…どうなってもいい…ジェラが欲しい…ジェラになりたい…”
そう思った、心から…
”ファーザー…甘い蜜をあげる…飲んで…それを飲めば…あなたは…身も心も女になる…そして…その後で私と一つになって…夢魔ジェラになる…”
ジェラの誘惑を受け入れる事…それは今の自分…それどころか人間でなくなる事を意味している…
そして…ファーザーは…躊躇うことなくジェラの女陰に口づけする…

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