教会[ファーザー]

5:試練


いつの間にか夢の中…
意識を形にできない…
甘い夢…危険…なぜ…夢魔…ジェラ…
”ファーザー…”
呼んでいる…意識…誰…答え…彼女…対抗…目覚め…
”無理するからよ…うふ…このまま…女にしてあげる…”
むず痒い…甘酸っぱい…暖かい…気もちいい…蕩ける…いい…もっと…

夢の中、意識が形になった時には女になっていた…ベッドの上に座った姿勢で呆然とする…
”そんな…”
”もっと…女になる過程を楽しみたかった?…”
”ジェラ!…”
”私が嫌い?…”そういって手を伸ばしてくる…
ファーザー(女)は手を払いのけようとする…一瞬早くジェラに抱き寄せられる…
柔らかい抱きごこち…自分の体も柔らかい…女同士の抱擁…やさしい触れ合い…
抱かれているだけで力が抜けていく…
”どうして…どうしてこんな事を…”
”あなたが好きだから…”
”嘘…あたしを騙そうとしているのよ…”
”人間の交わりなんてその場限り…飽きれば捨てることもある…違う?…”
”……”
”『夢魔の魂』にはそんなことできない…その人を愛する…体も…心も…魂の奥底まで愛する…そして一つになるの…それ以外できないのよ…”
ジェラは真剣に言う…
”愛しいの…欲しいの…貴方の全てが…あなたに喜んで欲しいの…”
そういって口づけてくるジェラ…赤い唇がファーザーの唇と重なる…今は女の息は必要ない…でもジェラの吐息が甘い…おいしい…
ジェラの舌がファーザーの舌と絡む…絡み合う…ファーザーの体からも…女の匂いが立ち上り…ジェラを誘う…

いつしか…二人は固く抱き合っている…夢中で互いの体を愛撫している…
”ファーザー…ファーザー…”
”ジェラ…ジェラ…”
”おいで…女の世界に…甘い快楽の世界で蜜を貪りましょう…一度味わったんだもの…逃れることはできないわ…”
”いくわ…女になる…だから好きにして…何でも言う事を聞くから…お願い…気持ちよくして…”
ジェラは首筋にキスをする…赤いキスマーク…ジェラの愛の証がファーザーの体に刻まれていく…
ジェラはファーザーの乳房を舐める…大きく豊かなバスト…乳首を甘噛みする…
”はぁ…”
女陰を指でまさぐる…クリトリスを刺激する…
”!…!…いい…”
ファーザーの乳房が、乳首が、女陰が、膣が、子宮が女の喜びを発し、引きずり込んでいく…

起きているときに何と言おうと…女になればファーザーはジェラの虜であった…
正気に戻ったとき、抵抗しているのはファーザーの理性だろうか、ファーザーとしての職業的義務感だろうか…

”はぁ…”満足のため息を吐くジェラ…
”きれいよ…ファーザー…”そういってファーザーの体を愛撫する。
”やめて…”嫌悪感に打ちのめされ、ファーザーは拒絶する…
”お願い…あたしに構わないで…”ファーザーはジェラに懇願する…
ジェラは不思議そうに尋ねる。
”どうして?…気持ちよかったんでしょう…あなたの体を見て…とてもきれいよ…”
ファーザーは答えない、首を左右に振る。
ジェラは笑う
”じゃ…試してみる?…”
”試す?…何を?…どうやって?…”

”私は何もしない…あなたは手を女陰にあてがう…あてるだけ…動かさずに我慢できるかどうか…”
”…いいわ…やってみる…”
ファーザーはベッドに腰掛け…自分の女陰をしげしげと見つめる…
”女…なのよね…今は…”
はっとして、正面をみて気持ちを落ち着かせる。
そして、女性自身(?)におずおずと自分の手をあてがう…

ビクッ…かすかな疼きを感じ…手を引っ込めようとして我慢する…
このまま…動かさなければ…
ピクリ…かすかに指が震え…軽くクリトリスをたたく…
”!”ピリッと甘い疼きが背筋を登る…
それが…指を震えさす…
ピク…ピリッ…”ふっ…”すこし…
ピクリ…ビリッ…”はっ…”疼く…
ビクッ…ビビッ…”はぁっ…”なにか…
ビククッ…キュン…”ほぁっ…”甘く…
クリッ…キュゥッ…”あん!…”いい…

気が付かぬうちに、左手は操られるように、フルフル震えながら胸を…固く立った乳首を目指す。
右手は、止まらない、ヒクヒク別の生き物のように蠢く、いやらしく…
”あっあっあああん…だめ…いい…がまんできない…”
堰を切ったように、右手が激しく動く、左手は胸をまさぐる…
両手が自分を慰める…いや…自分で自分を犯している…犯される…
”ああん…いいの…いいの…もっと…もっとぉ…”
ベッドに仰向けになり…雌の性に呑み込まれる…
”ファーザー…”ジェラが妖しく囁く…
”ジェラァ…”微かに目を開けて、ジェラを見つめる…
”ね…どう…”ジェラが妖しく囁く…
”だめぇ…がまんできない…なんとかしてぇ…”
”うふふ…素直な体…ファーザー…いかせてあげる…”
ファーザーはうれしそうにジェラにしがみつく…
”好き…ジェラ…あたしのジェラ…”
”大好き…ファーザー…あたしのファーザー…”
2人は激しく絡み合う…互いの体を激しく愛撫する。

幸せな気分に浸ったまま、意識が薄れていく…
”ファーザー…”
”ジェラ…また…”
やさしくキスを交わす…もうファーザーに逃れる術はない…

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