ボクは彼女

56.4P実行


 『教授、エミ先生、聞こえますか!? 木間君を助け出せたのなら、すぐに出てきてください!』

 「太鼓腹君? なにかあったの?」

 『自衛隊が攻めてきます!』

 「は……?」

 「ジェータイ? ネクタイの一種かね」

 太鼓腹の切迫した声と対照的に、エミと教授の反応はかなり間抜けなものだった。

 「なんで?」

 『……かせっ! 聞こえるか! 上の方が無茶始めたらしい。 すぐにそこから出てこい!』

 山之辺刑事の警告に、エミが反応した。

 「詳細は不明ですけど、軍隊が来るようです」

 「『マザー2』を攻撃するつもりか? 前に『マザー』の攻撃に失敗したはずだが」

 エミは固い顔で応じる。

 「今回も失敗してくれるとは限りません。 それに今は麗さんが『マザー2』の頭脳です。 うまく対処できないかも」

 教授は頷いた。

 「楽観はできんしない方が良いな。 しかし、麗君と『マザー2』を元に戻さんと、いつ戻せるか判らんぞ」

 「その通りですね……山野辺さん! 自衛隊の到着はいつ?」

 『1時間後だ。 しかし、正確な時間は判らん』

 エミは躊躇った後、『麗』、木間、『マザー2』『スーパードローン』に向き直る。

 「今の聞いてたわね」

 ”自衛隊が何しに来るの”

 「聞いてましたけど……」

 「軍隊……攻撃……それがなにか?」

 「……」

 4人とも、事態を理解していないようだった。 エミは頭を抱える。

 「いいこと! 時間がなくなったの! 1時間以内に、二人を元に戻すの! いいわね」

 『時間を気にしながらって……』

 「1時間ですか? そんなに続いたことあったかなぁ」

 「時間……期限……『ご休憩』?」

 「……」

 
 「じゃいいわね」

 「はい」

 「『乳首』……愛撫……ここを撫でるのだな?」

 ”貴女は、わたし……じゃない、女の子を背後から抱いて、愛撫するの”

 「はい、『マム』」

 「僕は……『麗』の体の下に入るよ」

 『マザー2』の性感帯である『乳房』型ドローン生成ポッドに麗の体の『マザー2』が抱きつき、乳首を口で愛撫し、麗の体の秘所を木間が舐め、その

サポートに『スーパードローン』が入る、という態勢である。

 「ふむ、4Pと言うのを生で見る機会があるとは思わなんだ。 これはじっくりと観察せねば……」

 「教授ぅ!……もぅ」

 「えーと……始めていいですか?」

 木間が尋ねると、エミが首を縦に振った。

 
 木間は、麗の体の秘所に口づけした。

 チュ……

 「はうっ!?」

 『マザー2』が体を震わせた。 木間は麗の体の性感帯を知り尽くしている。 『マザー2』は足を突っ張り、『乳房』抱きしめ、なすすべなく身を震わせる。

 ”こら、しがみついているだけじゃ、アタシが感じないわよ”

 「すみません、『マム』」

 ”ああ、貴女じゃなくて……”

 「いかんな、これでは」

 教授が唸った。 『麗』と『マザー2』が互いを愛し、同時に上り詰めないと『魂交換』が行われない。 しかし、『マザー2』が

 「うーん……」

 エミが少し離れたところで、4人(正確には3人+巨大『乳房』)の様子を観察している。

 「仕方ない……」

 エミは、『マザー2』の反対側から『乳房』に近寄り、両手に余りそうな『乳首』を軽く引っ掻いた。

 ”ひゃっ!?”

 ビクビクビクッ!!…… 『乳房』が激しく震えた。

 ”な、なにしたのさ! 先生!”

 「今の、感じた?」

 ”かん、感じるなんてもんじゃ……ひゃっ?”

 『乳房』の向こう側の『マザー2』が、動物的な動きで『乳首』を軽く噛み、首を振った。 『麗』は声を上げているが、いまいち弱い。

 「木間君!」

 キュゥッ 木間が『マザー2』の秘所を強く吸う。 思わずのけ反る『マザー2』

 「おっと」

 エミは『乳首』に口づけし、軽く吸いながら舌を這わせる。

 ”あ……あっ……”

 ビクッと震えた『乳首』が、上に少し伸び、エミの方に折れ曲がってきた。 エミは滑るように位置を変え、『乳首』から顔を離す。

 (つかまらないようにっと)

 エミは『乳首』を爪で引っ掻きながら、『乳房』の周りを半周した。 『乳首』が『マザー2』の方を向いた。

 キュッ

 『乳首』の根元を引っ掻いた。 『乳首』がプルンと震え、エミの手を追う様に伸びた。 が、エミの手はそこになく、代わりに『マザー2』の顔にあたる。

 「今よ!」

 木間が『マザー2』の秘所を強く吸う。

 「あっ!!」

 『マザー2』が『乳首』に顔を押し当て、噛みついた。

 ”くあああっ!”

 『乳首』がぐわっと広がり、『マザー2』の顔を包み込む。

 ’もごっ、もごごっ!!’

 『乳首』の中から『マザー2』のくぐもった声が聞こえる。

 ”ああっ……あああっ!!”

 『麗』の声が響き、次第に高くなっていく。

 「合図でいかせて!」

 ビシッ!

 『マザー2』の下から、木間が親指を立てる。 『マザー2』の体が小刻みに震え、『麗』の声が途切れがちになっていく。

 ”あ……ああ……あああっ”

 もごっ……もごごっ……もごごごごっ!!’

 「3、2、1、今!」

 キュゥゥゥッ!

 ”あ、あああーっ!!”

 ’もごーっ!!’

 『マザー2』が体を震わせ、『麗』の声が響き渡った。 全員の動きが止まる。

 
 パタリ

 麗の体が『乳房』から解放され、背中から倒れる。 それを木間が受け止めた。

 「……うまくいったのかな」

 「どうかしら」

 エミはそっと麗の体に触れ、頬を撫でた。 閉じていた瞼が開き、エミと木間の顔を交合に見つめる。

 「木間……君? エミ先生?」

 「麗?」

 「戻ったの? 麗さん」

 「う、うん。 そうみたい」

 ”失神……倦怠……意識を失っていたようですね……”

 『マザー2』の声が上から響いてきた。

 「よかった。 戻ったようだ」

 教授がうむうむと頷きながら、近づいてきた。 その時。

 『何してる! 早く出てこい! 護衛艦が見えたぞ!』

 山之辺刑事の声が響き渡った。

 「退避!!」

 「急ぎ、撤収したまえ」

 「なんです!?」

 「なんなの!?」

 ”危険……接近……緊急事態!”

 「はい『マム』」

 エミ、教授、木間、麗は衣服や機材を抱えてその場を離れ、『スーパードローン』は奥へと姿を消した。

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