ボクは彼女

50.入れ替わり…誰と誰が?


 エミがランデルハウス教授の先に立ち、木間と麗の姿を捜して、『マザー2』の内部を進んでいた。 しかし、二人の囚われている場所には、辿りつけず

にいた。

 「迷ったのか?」

 「そうみたいです」

 エミは、外の太鼓腹とスマホで連絡を取った。

 「迷ったみたいなの。 誘導してもらえないかしら」

 ”『マザー2』の船内図もないのに判りませんよ”

 「それはそうなんだけど……」

 ”あ、待ってください……『クイーン・ドローン』さんに代わります”

 スマホの声が『クイーン・ドローン』に代わる。

 ”『マザー』達は、内部の構造を、短時間で変えることが出来ますよ”

 「え?」

 ”『部屋』の配置は変えられませんが、『通路』を閉じたり、繋ぎなおすことが出来るはずです”

 「……それは考えてなかった」

 「なるほど。 『扉』の代わりに、『通路』を付け替えるわけだ。 となると、『通路』が木間君と麗君のいる部屋に繋がっていなければ、たどり着けない

ことになるのか」

 ”その通りです”

 「となると、壁をぶち破るとか?」

 ”内部の壁は、外部より柔らかいはずですが、修復の速度がずっと早いですよ”

 「うーん」

 「それに、壁を破る手段も無い……手詰まりか」

 
 「ふにゃぁぁ」

 声が出た弾みに、意識が少しだけ戻った。 目の前に麗の上気した顔と……別の女の子の、あそこが見える。

 「ち、ちょっと、麗……」

 麗の体を揺すぶってみたけど、焦点が合っていない。

 「なによ……」

 そう呟き、僕の唇を求めてくる。

 ズニュ、ズニュッ……

 「にゃっ!」

 僕自身が、滑ったもので擦りあげられた。 感触からして、麗の中に捕らえられているみたいだ。

 「だ、駄目……こんなとこ……」

 拒もうとしても、麗のアソコは格別だ。 僕自身が気持ちよく、そした固くなり、麗の奥底を感じている。 体の力が徐々に抜け、意識が次第にぼやけていく。 

この感覚は……

 「あ……入れ替わっちゃう」

 麗が僕の魂を呼んでいる。 抗うことのできない快感。 もうどうでもよくなってきた。

 「……じゃなくて……麗!」

 「なんだよ……いいじゃない……」

 ぷっと頬を膨らませ、体全体を僕に摺り寄せてくる。 乳液のヌルヌル間に、体が溶けていく様な錯覚を覚える。

 ”この辺がいいの?”

 きゅっと股間に圧力がかかり、誰かがそこを舐めている。 もう一人の女の子に違いない。

 「き、君だれなのさ……それよりこれ、どういう状況……」

 僕は快感の海に溺れそうになりながら、理性を保とうと努力した。

 
 ”抵抗……強情……この男性は、強い抵抗力を持っていますね。 彼が絶頂に達しないと、データがとれません”

 「『マム』、どうしましょう」

 ”直接……接触……私の『触手』を二人の局部に誘導なさい”

 繰り出されてきたのは、太い触手。 ピンク色のそれを軽くつかみ、男の子と女の子の結合部分に絡ませる。

 「にゃっ!」

 「ひやっ!」

 二人が強い反応を見せた。 局部の反応を確かめつつ、2つ、3つと触手をからませる。

 
 「なに、これ!」

 「滑って……ひやっ!?」

 ヌルヌルしたものが、僕らの下半身の間に滑り込み、うねっている。 単に滑るだけでなく、触れられたところが、痺れてくみたいだ。

 「やん……あ……なに……」

 麗の口調が間延びしてきた。 イキそうになっているみたいだ。 僕も気持ちいいのが止められなく……

 「だ……め……」

 ”接触……興奮……クリアなデータが……これは……”

 「う、にゃぁぁぁ!」

 ”快感……絶頂……あああっ!?”

 「いっくぅぅぅ……」

 頭が真っ白になり、快感が股間から体を貫いた。 気持ちよさ体が硬直し、僕と麗は一つになった。

 …

 ……

 ………

 「う?」

 一瞬意識が遠のいたけど、すぐに回復し、自分の体を確認する。

 「よ、よし。 入れ替わらなかった」

 絶頂のタイミングがずれると、『入れ替わり』は失敗する。 絶頂の瞬間に踏ん張って、『入れ替わり』をキャンセルしたんだ。

 「麗、麗、大丈夫だよ」

 目を閉じて、余韻に浸っていた麗が目を開け、僕を不思議そうに見た。

 「確認……困惑……なに……これはいったい」

 麗の様子がおかしい。 僕は麗を揺すぶった。

 「麗! どうしたの!?」

 ”どうしたのって……あれ、どうなったの?”

 『マザー2』の様子もおかしい。 僕は嫌な予感に囚われた。

 「まさか……麗、君ひょっとして……『マザー2』と入れ替わったの!?」

 僕の言葉に、『麗』が瞬きをし、自分の体をあちこち触り出した。

 「確認……驚愕……これは……この体は!?」

 ”木間君! その子はだれ……あれ? ボクがそこに……え、ええええええっ!?”

 「混乱……驚愕……えええええええええっ!」

 『麗』と『マザー2』の叫びが、部屋いっぱいに響き渡った。

 
 ”エミ先生! 大変です”

 太鼓腹がかなり立てる声がスマホから響いてきた。

 「やかましい! どうしたのよ」

 ”壁から伝わる声を傍受してたんですけど……どうも麗さんと『マザー2』が入れ替わったみたいです!”

 「……は?」

 「……なんだと?」

 麗と教授は顔を見合わせた。

 「大変だ!」 驚きを全身で表現する教授。

 「それは凄い!」 目を輝かせるエミ。

 ”『凄い』ってどういう意味ですか!”

 突然上から『マザー2』の声が響いてきた。

 「……え? ひょっとして、今話しているのは麗さん?」

 ”そうです!”

 憤然と言い返す『マザー2』、いや麗だった。

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