ボクは彼女

40.サンプル捕獲


 僕はベッドに潜り込み、目を閉じた。

 (眠れない……)

 麗の家で寝る時は、まず『運動』し、2、3回体を交換し、その後眠りに落ちるのが常だった。 なので、今日は元気が余っている。 それに、エミ先生や

刑事さん、宇宙人(の手先)が家の中にいる。 騒がしい訳ではないけど、空気が違う。

 (第一、狙われているのは麗と舞さん達だよね)

 エミ先生の話では、麗の『魂の交換』の技を、宇宙人が調べたがっているという。

 (だったら僕は狙われてないよね)

 そう考えると、なんだか麗たちにすまないような気がしてきた。

 (人任せにしないで、僕も、麗たちを守る方法を考えないといけないかな)

 ムニ……

 その時、足に柔らかいものが触れた。

 (あれ? クッションか何か、ベッドに置いてたっけ?)

 ムニムニ……

 何やらくすぐったい。

 (この感触は……おっぱい!?)

 麗がふざけて抱き着いてきたらしい。 非常時なのに、と思う。

 (あれ? でもさっき……それに……いつもより大きいような……まさか舞さん!?)

 この前の騒ぎの後、舞さんは僕に近づかなくなっていたけど……

 スルリ……キュッ

 「うっ?」

 僕のモノを冷たい手が触った。 流石に、寝たふりはできない。

 「舞さん? そんなことしてる場合じゃ……」

 布団をはねのけた。 常夜灯の薄明りで見えた人影は……舞さんじゃなかった。 麗でもない。 知らない女の子だった。

 「え?……あの、どなたですか?」

 
 布団がめくられ、寝ていた少年が起き上がった。

 ’……あの、どなたですか?’

 ターゲットではない、騒がれるとまずい。

 ”ごめんなさい”

 微笑んで見せると、照れたような表情を見せた。 何者か、気がついていない。

 ”ね……いいことしてあげる……”

 そう言って、パジャマのズボンをパンツをずり下ろす。

 ’ちょ、ちょっと……まずいよ、こんなの’

 小声で抗議する。 無視して、乳房の間に彼自身を納める。

 ”気持ちよくしてあげるね……”

 乳房でモノを刺激しながら、乳首に指を当てて回す。

 ”ん……”

 乳房の中が、ジワリと暖かくなってきた……

 ”あ……あ……”

 少年は、こちらを見たまま硬直している。

 
 「ちょっと……」

 女の子は構わず、僕自身を胸の谷間に包み込んでしまった。 喘ぎながら乳首を刺激している。

 (誰だこの子……えーっと……この胸の大きさは……そうか『ドローン』の誰かだ!……あれ?)

 女の子の顔をよく見る。 『ドローン』は全員、白い肌で胸が大きき、そして日本人、東洋系の顔の子はいなかった。 でもこの子の顔は……東洋系……

ということは?

 「き、君はひょっとして……」

 その時、女の子の乳首から、ドロリとした白いクリームのような『乳』が流れ出し、乳房と僕の体を濡らした。

 「も……も……」

 ヌルヌルした感触が、僕自身を包……

 
 ’も……’

 少年の言葉が途切れる。 こちらを見たまま、硬直したように動かない。

 ”うふ……効いてきたね……この『乳』を浴びると、頭がぼーっとして、何にも考えられなくなるのさ”

 少年をベッドに押し倒し、たっぷりと『乳』を体に塗り付けていく。

 ”気持ちいいだろう? 僕もこれで『マム』に気持ちよくしてもらったから、良く判るよ……”

 ’あ……ああ……’

 少年が喘ぎ始めた。 これで、この少年は言う通りに動いてくれる。

 ”ねぇ……教えてよ……『魂』を交換できる女の子って、どの部屋にいるの……”

 ’……え?……麗の……部屋?……’

 少年の眼はトロンと曇っている。 耳に口を近づけ、質問を繰り返す。

 ”麗って名なの?……教えてよ……”

 ’麗……麗……麗は……’

 
 「……麗は……」

 キリッ

 手首が閉まる感じがした。 『麗』が涙目で僕を見ている。

 「麗!? き、君は麗を!? どうする気!」

 
 ’どうする気!’

 予想外の事態だ。 少年が意志を取り戻した。

 ”……どうして?……まさか君も?”

 ’麗は僕の……彼女だ!’

 ”つがいなんだろ? 君は”

 しゃべりながら、『乳』を濃くし、乳首を少年の口に宛がう。 驚いて抵抗するが、構わず口に『乳』を注いだ。 すぐに表情が消え、人形のように無表情に

なる。

 ”これでよし……ね、答えて……麗の部屋はどこ?”

 ’麗の部屋……駄目……’

 少年の顔が微妙に動く、意志を取り戻しかけている。

 ”これは……どうしましょう『マム』……”

 『マム』からの答えがあった。

 (そのサンプルを持ち帰りなさい。 調べてみましょう)

 ”イエス、『マム』”

 もう一度、少年の様子を確認し、表情が消えているのを確認する。

 ”いっしょにおいで……そして、もっと気持ちいい事をしようよ……”

 ’あ?……うん……’

 少年は、ベッドから起き上がり、着替え始めた。

 ”やはりターゲットの名前に反応しているのね……”

 ベッドから降り、ベッドの下に隠していた衣服を身に着ける。 少年の支度が整うのを待って、そっと窓を開けた。

 ”人影は……なし……”

 窓から出て、下の階のひさしに足をかけ、地面へと降り立つ。 上を見上げて手招きすると、少年が下りてきた。

 ”いきましょう”

 彼の手を取り、その場を離れた。

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