ボクは彼女

29.お役所の仕事、消えゆく男の子


 −−酔天宮署に向かうパトカー内ーー

 「時に山之辺さん。 『マザー2』と『クイーン・ドローン』に対する警察の今後の対応は?」

 エミの問いかけを、『クイーン・ドローン』が興味深そうに聞いている。

 「まだ決まってねぇが……『クイーン・ドローン』さんには参考人として事情聴取ぐらいはあると思う」

 「参考人ね……身柄の拘束しないのね?」

 「ない」

 「同じ宇宙人が起こした事件なのに?」

 川上刑事が口をはさみ、山之辺刑事が難しい顔になった。

 「罪状は?」

 「傷害、入管法違反、それと……」

 「それは、『マザー2』支配下の『ドローン』が犯した罪よね。 彼女は『マザー』の配下、直接の関係はないわ」

 「『マザー』も『マザー2』も同じ星から来た宇宙人……だろう。 協力しているんじゃないか」

 エミは『クイーン・ドローン』の方を見た。

 「協力しているの?」

 「いいえ。 情報の共有はしているようですが、『マザー』は『マザー2』の行動に関与していません」

 「連絡を取っているなら、共犯じゃないのか?」

 「そうは言えめぇ」

 山之辺刑事が腕組みをして答える。

 「逃亡中の犯人が友人に電話をかけても、それだけで友人を罪には問えん」

 「幇助か犯人隠避は?」

 「幇助は犯罪の実行を手助けをし、それが役に立った場合だ。 犯人隠避も成立しないな。 第一『クイーン・ドローン』は捜査協力してくれている」

 「ふぅ」

 「まぁ、日本の法律を宇宙人の行動に適用するのが無理だと思うけど」

 「全くだ。 宇宙人だの、悪魔だの、妖怪だのは警察の扱う相手じゃねぇな」

 「ですが、事件が起これば最初は警察が対処するしかないでしょう」

 川上刑事の指摘に山之辺刑事の表情がさらに暗くなる。

 「すまねぇがエミさんや。 しばらくは、定期的に連絡が取れるようにしてもらえないか?」

 今度はエミが憮然とする番だった。 この件は、直接彼女が関係しているわけではない。 しかし『クイーン・ドローン』たちと、警察の間の連絡役に

なれるのはエミしかいない。

 「……いつまで? 私も暇を持て余しているわけではないんだけど」

 山之辺刑事がエミに頭を下げる。

 「取りあえず1か月。 その間に『マザー2』絡みの事件がなければ、解放するぜ」

 
 ”ん……”

 灰色のまどろみのなかから意識が浮かび上がり。 意識が形を取り戻し、夢と現実をえり分ける。 『声』が話しかけてくる。

 『覚醒……起床……目ざめた……』

 ”あ……はい”

 体がだるい感じ。 身を起こすと、体の上を白く甘い匂いの『ヨーグルト』が幾筋も流れ落ちる。

 ”ここで、寝てたのか……”

 手で『ヨーグルト』をすくいとる。 粘り気の少ない白い『ヨーグルト』が指の間からこぼれていった。

 ”あ……”

 手の指が細い。 二の腕に触れると、こちらも細く感じる。

 ”痩せた?”

 『成長……変化……体全体が変わり始めたのよ』

 ”体が……あ……”

 思い出す。 自分を『女性に変える』と言っていたのを。 大事なところを探ってみる。

 ズキッ

 ”はぁっ?”

 そこは張り詰めて、固くなっていた。 『女』になるどころか『男』を主張しているかのよう。

 ”ここ……これでいいの?”

 『肯定……問題ない……それでいいの』

 チャプ……

 女の人が近づいてきた。 彼女の足の間に目が行く。

 ”……あそこに……”

 眠りに落ちる前に、アソコにこの固いモノが呑み込まれていた。 また、呑み込まれるのだろうか。

 『開始……始まり……さぁ』

 女の人は、両脇に膝をつき、固くそそり立つモノに指をからませる。

 ズキッ……

 重い刺激がモノに走り、背筋を貫く。

 ギュ……ギュ……

 ズクッ、ズクッ、

 女の人はモノを掴み、丁寧な動きで圧力をかける。 手が動くたびに、重い刺激が背筋を貫く。

 ”あ?……あ……あ……はぁ……”

 背筋を刺激が貫き、脳天を叩いて白い火がはじけて消える。 完全に消え去る前に、次の火花が散る。 次第に白く染まっていく頭の中。

 ”はぁ……はぁ……あはぁ……”

 女の人に握られたモノが、芋虫のように身をよじる。 冷たいとも熱いともつかぬ、奇妙な、だけど気持ちのいい感触がモノを満たしている。

 ”ああーっ……”

 口から吐息が漏れた。 モノがヒクリと動き、何かを吐き出した。 白くない。 透明な液体が勢いよく迸る。

 ”いい……気持ち……いい……”

 ビュク、ビュク、ビュク……

 迸りが止まらない。 モノは脈打って液を迸らせる。 迸りながら縮んでいく。

 ”ああ……縮んでく……あはぁ……”

 縮んでいくモノに目が吸い付けられる。 モノが縮むにつれ、快感が『濃く』なっていくようだ。

 ”ああん……ああ……ああ……”

 快感に腰が震える。 キモチよすぎて、臍から下の自由が利かない。 それが、『女の快感』が体の中を次第に満たしてくる。 モノは縮み、布団をかぶる

様に先っちょが皮の中に潜っていく。

 ”ああ……ああ……ああっ”

 ズブっとモノ股間に消えた。 その下に宝玉がぶら下がる奇態が生じたが、それも引き込まれるていき……股間の所で引っかかった。 

 ギリッ

 ”うぐっ!?”

 宝玉が強く引かれ、強い刺激に息が止まった。 女の人が手のひらを宝玉に押し当て、一気に股間に押し込む。

 ズッ……キン!

 ”ひっ!”

 強烈な快感が股間から脳天を突き抜けた。 白い閃光のような快感が頭の中、いや体銃を満たした。

 ”あ……”

 意識がすーっと消えていく。 失神するらしい。 もう目が覚めないのでは、ふとそんな気がした。

【<<】【>>】


【ボクは彼女:目次】

【小説の部屋:トップ】