ボクは彼女

13.彼女の姉と


 僕は年上の女性に襲われる体質なのだろうか。 舞さんに組み敷かれながらそんなことを思う。

 ジーッ

 チャックが開けられたと思いいたり、抵抗を再開する僕。

 よいしょ!

 背をそらせ、力を抜く。 舞さんの体が一瞬宙に浮いた隙に、体をひねって彼女の腕から逃れつつ床を転がる。

 ズシッ

 隣に舞さんが落ちた。

 「いたぁ」

 そう言って立ち上がる舞さん。

 「いい動きするのねぇ。 これは期待できそう」

 「なんの期待ですか!」

 僕は床を転がって立ち上がった。

 「僕、体術の心得はありますからね!」

 これであきらめてくれればと、儚い期待をする。

 「らしいわね。 素敵」

 逆効果だったようだ。
 

 「どうだぁ、乳崩し、パイ固めの技!」

 「うわぁ!?」

 何がどうなったか判らないうちに、僕は彼女に抱きつかれ、その胸に顔を埋められていた。

 「うわっぷ」

 息を吸うと、むせ返るような甘い匂いが鼻孔を満たす。

 ググッ

 ズボンがきつくなり、開いたままの窓から愚息が頭をのぞかせた。

 「チャーンス!」

 「ピ、ピンチ!」

 舞さんの指が僕の愚息に絡みついた。 ヒヤリとした蛇のような指だ。 もう一度、さっきの要領で彼女から逃れようとした。

 「甘い」

 舞さんの指は、それこそ蛇のような動きで根元の辺りへ滑り込んで、僕の大事な所を手の中に収めてしまう。

 「そーれ」

 「なにを……ふにゃぁぁ?」

 彼女が僕のモノを握りしめた……のだと思う。 大事なところに強い圧力を感じ、頭のてっぺんに突き刺さるような衝撃があった。 『痛い』というのとは

違うその衝撃に、頭が真っ白になった。

 「ぁぁぁぁぁ……」

 僕は失神した。

 
 ペロリ

 頬を舐められ、目を開く。 舞さんの上気した顔が顔が目に入る。

 「……」

 夢を見ているような気分。 辺りの様子は判るのに、頭が働かない。

 ユサリ

 柔らかい感触で、自分が裸で舞さんと抱き合っているのに気がついた。

 「舞さん?……」

 彼女の名を呼んでみたが、それから何をすべきかが思いつかない。

 「ふふっ……夢を見ているみたいでしょう? 麗はまだこういう技は覚えていないでしょうから」

 彼女が僕のモノを摩っている。 柔らかい女性の手の感触に、モノが固くしこっていく。

 「ココは準備できているわね」

 舞さんは僕の耳に口元を寄せた。

 「私の中に、おいでなさい」

 彼女の声は天女の様だった。 僕は夢心地のまま彼女の中に入っていく。

 
 「ああっ」

 「う……」

 舞さんの胎内は極楽だった。 ヌルヌルした肉襞が、モノに絡みつき、しゃぶりつくそうと蠢いている。

 ”……動いて”

 ”……奥へ”

 ”……おいでよ”

 彼女の秘所が、僕のモノに囁く。 僕の体は彼女に囁かれるまま、腰を動かして、固くなったもので彼女の奥底を探る。

 ズン!

 「あうっ」

 奥底を突かれた舞さんが呻き、秘所が震えた。

 ”そこよ……”

 ”そこをもっと……”

 ズン、ズン、ズン……

 僕の体と舞さんの体、男と女の肉体が音のない言葉で囁き、交わる。 僕と舞さんの魂は、ただその快楽に漂うのみ。

 「いい……」

 「溶けちゃう……」

 一つの生き物のように、二人の体が蠢き、互いを愛する。 生暖かい快楽の波が体を満たして、中をトロトロに溶かしていく。

 ”……おいでよ”

 ”……うん”

 ゆっくりと体を満たしていた快感が、一気に溢れて頭の中を満たす。 蕩けるような快感の波に乗って、僕は舞さんの中へ自分を解き放った。

 「あぅ」

 「くっ」

 その瞬間、僕は舞さんの神秘の門を潜り抜け、彼女の子宮にいた。 暖かなそこは、僕をやさしく受け止め、そして肉壁の中へと取り込んでいく。

 ブルブルッ

 僕たちの体が震える。 互いの魂が入れ替わる瞬間、僕たちは確かに一つになっていた。

 
 「ふうっ……」

 ボクは息をついて体を起こそうとした。 しかし、体がズシリと重い。

 「あ……」

 手を見ると、ほっそりした女の手、舞さんの手だ。

 「入れ替わってしまった……」

 精一杯の力を込めて、体を起こし……べチャッと床に突っ伏した。

 「重い……胸が……」

 床と体の間で、ボクの胸がつぶれている。 横で、ボクの体……マイさんがすっくと立ち上がり、何のつもりか上体をひねったり、飛び上がったりしている。

 「うわぉ! 久しぶりに胸が軽くなったわぁ!」

 「ボクは胸が重いです、とっても……」

 「そうでしょう?」

 得意げなマイさん。 どうやら胸が大きいと、いろいろ大変らしい、物理的に。
 
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