ボクは彼女

5.ベッド・イン


 (いいのかなぁ……)

 バスルームでシャワーを浴びながら考えた。 いや、この後の事じゃなくて、他人の家のバスルームを使っていることについてだ。

 (麗のかな……)

 ピンク色と水色のシャンプーの容器が目に入った。 どちらもシャンプーのようだから、片方が麗のもので、もう片方はお姉さんりものだろう。

 (ここは……女の子だけが使ってるんだよな)

 女子更衣室のシャワーを浴びていたら、こんな気になるんだろうか、なんて考えてたら、『男の子』がやたら元気になって来た。

 (こ、こら鎮まれボク!……いや、元気にしないといけないのかな?)

 あれこれ考えていたら、焦れた麗がバスルームの扉をガタガタ揺すり始めた。

 「ちょ、ちょっと待って!」

 「待つの? 慎み深いよね、キミ」

 
 甘い香りがするバスタオルで体をふいて、下着姿でバスルームを出る。 入れ替わるように、こちらも下着だけの麗が入って来て、慌てて目を反らす。

 「遠慮してるなぁ……」

 そう言いながら麗はシャワーを使い始め、僕は麗の寝室に行き、ベッドに腰かけた。

 
 「お待たせ……」

 麗はバスタオルだけを巻いた姿で寝室に戻ってきた。 ベッドに腰かけている僕を見て怖い顔になる。

 「あの……何か気に入らないの」

 恐る恐る聞いた僕を、麗は睨みつけた。

 「帰る気?」

 「え?」

 言われて気がついた。 僕は、上着を着て、ズボンを履いていたのだ。

 「ご、ゴメン。 つい」

 僕は慌てて上着を脱ぎ、ズボンを脱ぎかけて麗の視線に気がついた。

 「あの……見られていると脱ぎにくいんだけど……」

 「いまさら、それを言う?」

 麗が表情を和らげ、僕も微かに笑った。

 
 「ん……」

 バスタオルをはだけた麗が、軽く目を閉じた。 全裸になった僕は、彼女の隣に腰かけ、軽く抱き寄せる。

 (わぁ)

 女の子の匂いに包み込まれた。 心臓が破裂しそうになっているのを押さえつけ、麗の唇に僕の唇を軽く合わせる。

 「ん……」

 そのまま静止する僕たち……

 チッチッチッ……

 時計の音らしきものだけが部屋を満たす。

 「……んー?」

 パチッと目を開けた麗が僕を見詰める。至近距離から見つめられ、顔がほてるのを感じた。

 「えーと……次、どうしよう……」

 言ってしまってから、自分が途方もなく間抜けに思えてきた。

 「経験者だよね」

 「そうだけど……その時は、一方的に襲われたから……」

 と、エミさんに責任転嫁する。

 「女に丸投げするの? 男でしょ」

 「それってセクハラなんじゃ……」

 二人して顔を見合わせ、ぷっと吹きだす。

 「したいようにしてっ、と言っても無理なのかな」

 「うん……」

 「仕方ないなぁ。 少しリードしてあげるよ……」

 麗は僕の顔を手で挟み、自分の顔に近づける。 僕は目を閉じ、麗の唇に自分の唇を重ねた。

 (柔らかい……)

 麗の唇が、強く押し付けられ、唇の間から舌が入ってくるのを感じた。

 (んー……)

 柔らかい舌を舐めつつ、麗の口の中へ自分の舌を差し入れ、麗の口の中をなぞった。

 「んっ!」

 麗がびくっと反応し、僕は動きを止めた。 が、麗が小さく顔を横に動かしたので、舌の動きを再開する。

 「はぁ……」

 麗の手が肩から下に降り、僕の背中に回る。 同じように僕も両手を麗の背中に回し、軽く引き寄せる。

 フニッ……

 (あっ……)

 僕の胸に、麗の乳房が触れた。 服を着ていた時より、ずっと大きく感じる。 もっともエミさん程では……

 ギリッ

 「いてっ」

 麗が背中をつねった。 目を開けると、麗がこっちを睨んでいる。

 「今比べたろう」

 「いや、あ、うん……ゴメン」

 素直に謝ると、麗が僕の手を取り、自分の胸に導いた。 思ったよりずっとふくよかな感じがする。 僕は、指の腹で乳首を撫でたり、胸を揉んだりしてみる。

 「楽しい?」

 「う、うん……感じる?」

 「あんまり。 もっとも君に触られていると、興奮する」

 麗の体の匂いが濃くなったような気がした。 麗の顔が赤く、息が荒くなっている。

 「麗……」

 そーっと手を伸ばして、麗の女の子の辺りに触ってみた。

 ヌルッ

 「あっ……」

 指が触れた瞬間麗が喘ぎ、僕は反射的に手を引いた。 麗は僕の手を捕まえ、再び自分の秘所に導く。

 「もっと……触って」

 プチッ

 僕の中で何かが切れた。 僕は麗の秘所に触れ、ヌルヌルした溝をなぞるように動かす。

 「あ……ああ……ああっ……」

 甘い吐息を漏らし、麗が僕の中で悶える。 可愛い……

 「君の……ああ……元気になってる……」

 麗の手が、僕自身を探り当て、そこを摩り始めた。

 「あうっ……」

 今度は僕が悶える番だった。 白く冷たい女の子の指が、僕自身に絡みつき、愛しそうに撫でている。

 「はぁ……」

 股間が固くなりヒクヒクと脈打つ。 睾丸がキュッキュッとしまって、ジーンと痺れるように気持ちよくなり、頭がぼうっとしてくる。

 「凄い……あう……」

 意識していないのに、僕の指が麗の女の子を愛撫していた。 女の子の蜜が溢れ出し、僕の手を濡らす。 女の子の肌は冷たいのに、奥では熱いもの

が蠢いているんだ。

 「だめ……そんなにされたら……アタシ……いっちゃう……くあっ」

 麗が僕の腕の中で震えた。 いったらしい。

 「麗?」

 「もう……指だけでなんて、ずるい!」

 そう言て麗は、自分の秘所から蜜をすくい取り、僕自身に塗り付けた。

 「ひゃぅ……」

 麗の蜜に濡れた僕自身は、ビクビクと蠢いて猛っている。

 「今度はこれで……きて?」

 「麗……」

 麗はベッドに背中を預けた。 僕は麗に誘われるままにも彼女に自分を重ねる。
 
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