黒のミストレス
12:安らぎ
ミストレスが消えて数日…
近在の教会の神父の助けを借り、魂を元に戻す試みがなされた。
だれもそんなものは知らない、飲ませるか、性器に収めるかしかなかろうという乱暴な話になった。
幸い、口に含ませてみると、自然に溶け魂が戻ってくれたので、もう1つのとんでもない試みはされずにすんだ。
もう1つ、どれが誰の魂かという問題もあったが、皆自分の魂を目で追っていることに龍之信が気づき、間違えることも
なかった。
しかし、体が見つからなかったダストンはどうしようもなく、メイド達も長い間に魂が溶かされていたためか、正気には
戻らなかった。
結局、救えたのはネリスとシンシアだけだった。
そして、更に数日後の気だるい午後、マグダスの街、シンシアの家のシンシアの部屋で龍之信とシンシアが話している。
「結局、ルーイもダストンもメイド達も救えなかった…私は…」龍之信は悔やむ。
「龍之信様の責任ではありません、むしろ私とネリスを救ってくれた事を誇ってください」
「そう言って貰えると助かるります…シンシア」
「はい?」
「私は明日旅立つつもりです」
「!そんな、どうして、あなたは私どもの恩人です。いつまでもいて下さって結構です」シンシアが慌てて止める。
「いえ、私がいたのでは、今度の事を忘れる事ができないでしょう…ルーイには気の毒だが…あなたも新しい人生を
始めるべきかと…」
「私は…修道院に行くつもりです…」シンシアがうつむいて言う。
今度は龍之信が驚く「どうして…いや修道院が悪いというのでは…只、唐突な気がしまして…何か事情でも…」
「悪魔の寵愛を受けた女を…迎えてくれる所はありません…」シンシアが泣いている。
龍之信は己の不明を恥じる。シンシアが悪いわけではない…だが…最初からシンシアと婚約しているならともかく…
心底シンシアが可哀想になる、そして思い出した、ミストレスと対決するときの決意を。
”もし駄目だったときは…シンシア…私も行こう…あなたのもとに…”
自分でも驚くセリフが口から出る「私が、貴方を妻としよう…異国の人間でもかまわぬか…」
シンシアが顔を上げる、信じられないという顔だ「嘘、私を慰めようと…」
「私は本気だ…」
「本当に…私を…」シンシアの顔が驚きと喜びで満たされる。
龍之信は、シンシアに口付けをする、優しく触れるような口付けを…
「龍之信様…」
シンシアは龍之信に抱き付く、「お願い…私を抱いて…貴方を感じさせて…」
「シンシア…それは少し気が早い…」龍之信がさすがに苦笑する。
「おねがい…時々体がミストレスの責めを思い出すの…忘れさせて…」いつのまにか、シンシアは大人の女になって
いたようだ。
「シンシア…」龍之信がシンシアに重なる。二人の初夜が始まる…
日が落ちてから、龍之信はシンシアの部屋に忍んで行った。
明かりを絞り、暗いベッドの上で抱き合う。
2人はそっと抱き合う、優しく、互いが生きている事を確認するような愛撫。
軽く唇を合わせる、やがてどちらからともなく、舌を出し合い、舌先をつつき合う。
穏やかな戯れ、くすりと笑いあい、舌を絡め、互いの口を求め合う。
次第に夢中になる、目的などない、したいから行う命の儀式。
龍之信は己のものが固くそそり立つのを感じる、シンシアを求めている。
シンシアにも分かる、龍之信が自分を求めている。
「シンシア…」
「はい…龍之信様…あ…一つ申し上げる事がありました…」
「?」
「あの…私…処女なのです…キャッ…」言って恥らうシンシア。
「ミストレスは貴方の中には、直接入らなかったのだな…」
「はい…あの…を…その…えと…すみません…」この状態で恥らっても意味はないような気もするが、シンシアは露骨な
言葉が口に出せない。
「良かった…」
「はい?…」
「あなたの処女が無事で…」
「…龍之信様のばか…」赤くなってすねるシンシア。
龍之信は、シンシアの物を口で愛撫しようかと思ったがもシンシアが止めた、ミストレスを忘れたい、だから普通にしたいと、
もっともな話だ。
龍之信はシンシアにもう一度口づけしながら、指を使って女性の部分を優しく、優しく愛撫する。
シンシアの息が段々甘く、荒くなっていく。
龍之信を抱く腕に力がこもる。
シンシアの女性自身がクチャクチャ音を立て始めた。
龍之信は、そっと自分の物をつかみ、亀頭をクリトリスや女陰の入り口に擦り付ける。
「は…あ…あふ…」シンシアが切なげな声を上げる。
龍之信も、愛しい人の女性の部分にこすりつけていると思うだけで、男根がいきり立つ、心地よい痺れにも似た快感に
包まれる。
「はぁ…はぁ…はぁ…ああぁ…」か細い声で、シンシアが達した。
龍之信は苦笑する(かわいい人だ…)
2人とも、少し息を整える。
ここまでにしようかと提案するが、シンシアがいやいやをする。
どうしても、今1つになった証が欲しいという。
もう一度、口付けから始め、優しく、優しくシンシアを愛撫する。
濡れるのも速いが、息も荒くなってくる。
龍之信は、今度はじらさず亀頭をシンシアの女陰にあてがう。
「いくよ…」シンシアに声をかけて、一気に腰を突く。
「!」シンシアが力の限り龍之信を抱きしめる。
涙が出ている、龍之信は亀頭の先端に処女幕の抵抗を感じ、それを突き破ったことを確信する。
シンシアは痛みに耐えているようだ、段々落ち着いてきた。
「動くよ…」そういって、ゆっくり動き出す。
「!」シンシアの腕に再び力がこもる、龍之信はゆっくり、ゆっくり動く。
シンシアの腕から力が抜けてきた、歯を食いしばっていたか表情が緩み始める。
シンシアの息が速く、荒くなる。甘い息を吐き始める。
龍之信はシンシアの様子を見ながら動きをゆっくり、浅くから、早く、深くに変えていく。
シンシアの中で何かが昇ってくるのか分かる。自分にも熱い物がこみ上げてくる。
睾丸が痺れ縮み上がる。中のものが、シンシアヘ、シンシアの中へと叫んでいるようだ。
シンシアが、龍之信が同時に達する。
龍之信の熱い物が、シンシアの子宮を直撃する。
2人は同時に達し、崩れ落ちた、これまでにない幸せな気分で、余韻に浸っていた。
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