黒のミストレス

4:ネリス


翌朝、ダストンが行方不明とわかり騒ぎになった。

龍之信には直接の関係はないわけだが、こうなると別行動をとるわけにはいかない。

ルーイはダストンが無責任だとなじるだけで役に立たない、龍之信とネリスが村に向かいダストンが来ていないか

尋ねることにして、アリシア、ルーイ、メイドの数人があたりを探すが手がかりすらない。

もし、昨夜の事を知っていれば別な手を打ったであろうが…


手がかりも得られず、御者がいなくなったので馬車も使えない。

結局その晩も館に留まる事にして、明日もう一度村に行き、人手を借りて辺りを捜索することにした。


その晩、ネリスはメイド達に下着の借用を願い出ていた。

前日中に着くつもりだったので換えの下着がない、シンシアのものならあるが、お嬢様の下着を使うわけに行かない。


メイド「では、ミストレス様のものを…」

ネリス「と、とんでもない、これ以上のご迷惑をお掛けする訳には…」

メイド「いえ、ミストレス様からお客様たちが不自由されてはいけないと申し付かっております。むしろ、ミストレス様が

ご使用になったものですから、かえって失礼かもしれませんが…」

こんな調子でやり取りが続いたが、ネリスはメイドの申し出を受ける事にした。


ネリスは、ドレッシング・ルームに案内された。

ネリス「まあ、素敵…」

下着は全て黒のシルクであり豪華なレース飾りがついている。

下着をつけ、鏡の前に立ってみると、我ながら見とれてしまう。

不思議に引き込まれるようだ…下着の着心地がすばらしい…

メイド「さあ…ドレスを準備いたしました…」

ネリス「…ええ…お願いするわ…」

ネリスの視線が宙を彷徨う、心ここにあらずという感じで、メイド達のされるがままになる。


メイド達はてきぱき作業を進める。

やがて、ネリスは黒いナイトドレスをまとった姿となり、鏡の前に立つ。

ネリスは、再度自分の姿に見とれるていた。


「ミストレスははご趣味のよい方ですのね…」

「はい、とても。ミストレスからネリス様に、ご伝言がございます」

「ご伝言?」

「はい、私の歓待を受けてくださいとのことです」

「?」ネリスには意味がわからない、という顔である。


そのとき、ネリスの全身に言い様の無い感触が走る。

ネリス「ひっ!・ああああ………」

来ているドレスの感触が変わった、全身を舐められるようなおぞましい感触。

体が硬直する。

しかし、それが言い様の無い快感に変わっていく…

「い、いや…た、助けて…あ、ああ…ああああ…溶けそう…溶けてしまう…はあ…蕩けそう…」

搾り出すように救いを求めるネリス、それが甘い愉悦の言葉になるのにたいした時間を要しなかった。


メイド達が動き出し、壁から寝台を引き出し、硬直しているネリス横たえる。

「ミストレス様より、ごゆるりと体で味わう最後の快楽をお楽しみ下さいとのことです」

「あ?…最後の…どういう…あひぃ…はふぁ…どうして…」


ネリスは、ヌラヌラした感触に包まれていた。

乳房が、乳首が、腹が、背中が、太ももが、女性自身がいっせいに、丁寧に舐められている…

ネリスは男性経験があったが、ここまで濃厚なSEXの経験はなかった、まして、全身を同時に責められるなど…人間業

ではなかった。

”ああ…すごい…なんて気持ちいいの…男達に奉仕されているよう…芯まで熱くなってくる…はあ…入れたい…あは!?…”

女性自身に入れるものが欲しいと思うと、何かが入ってくる感触が生まれた。

頭を上げるがメイド達は離れている、股間はドレスに隠れて見えない、でも、何かが入ってくる…

”!!なにが…はう…柔らかい…熱いわぁ…ああ…突いて…もっと…もっと…”

入ってくるものは男根とは感触が違うが、ネリスの望みが分かっているかのように、的確に責め、ネリスの性感が

高まっていく。

ネリスは快感に溺れ、体がヒクヒク痙攣し始める。

柔らかなものが、膣、子宮を満たし、突くというより圧力の波を伝えてくる。

ヒク、ヒク、ヒク、ビクッ、ビクッ、ビクッ、ビクン、ビクン、ビクン…

”あん!…あん!…あん!…ああ!…ああ!…ああ!…あーーー!…”

連続的な射精を受けたような感覚が続き、絶頂に達し力が抜ける、ぐったりして余韻に浸る。


”ネリス…よかったでしょう…”

「?どなたです…」

”私はミストレス…”

「ミストレス…!ここれは、あの…」

”次はあなた…”

「?いったい…」


ネリスに次の言葉を言う暇は与えられなかった。

体に再びヌラネラとした感触が伝わってくる。

「ふぁ…もっと…いい…なめて…ついて…かき回して…あふれてくる…暖かい…」

今度は、暖かいネットリとした物に包まれるような感覚に襲われる。

もうネリスは抵抗しない、快楽を貪り、溺れる。

蜜のような快楽の中を漂いううち、乳首は張り詰め、体のなかに熱い、とても熱いものが満ちる。

何も考えられない、外からの感触に応じて、頭の中、体の中が蕩けていく、溶ける、ドロドロになる。

ドロドロ感がネットリになり熱い塊に変わっていく、そして快楽の塊が頭のてっぺんから足のつま先まで満ちて体が

硬直する。

ネリス「ふあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

ネリスの体が突っ張る、体がえびぞる。

一瞬のうちに、熱い快感が冷たい快感に急転する、抵抗できない。

ガチャン…

ガラスのように体のなかで何かが砕ける感覚。

くたっとネリスの体がベッドの上で横たわる。

傍目には、ネリスが荒い息をついて横たわっているだけに見える。 しかし…


ネリスの女性部分から、トロッと愛液が流れ、それと共に、青く透き通った玉が出てくる。

メイドの一人が、それを拾い上げ、赤いナプキンの載った銀の盆の上に載せる。


メイド達は、再びてきぱき作業を進める。

ネリスを裸にして、体を丁寧に拭き清める。

新しい下着を履かせて、ドレスを纏わせ、首にチョーカーを着ける。

メイド達全員が同じような黒いチョーカーを着けていた…


ネリスがギクシャクとした動きで立ち上がる。

メイド達と同様の無表情、もはやネリスは魂を奪われた肉人形であった…


メイドの一人が告げる、「ミストレスが貴方の魂を、お望みです…」

別の一人が、ネリスの魂をのせた銀の盆をささげ出す。

ネリスはそれを受け取り、闇の中へゆっくり歩いていく、己が魂をささげ持ったまま。


−?−


闇の中、ミストレスが椅子に座っている。

いまは、ネリス同様黒いナイトドレスの姿だ。

ネリスは銀の盆を女悪魔にささげ出す。

ネリス「どうぞ、私の魂です…」


こうして、ネリスの魂もミストレスに呑まれた。


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