星から来たオッパイ

Part F (7)


 −−某国 潜水艦 B-346−−−

 『カプセル』が動き出したのを検知し、発令所が騒がしくなってきてた。

 「どっちに向かっている」

 ソナー士官が、計器を確認する。

 「本艦から離れる方向に微速前進、浮上するようです」

 「奴の後ろにつけて、こちらも浮上。 水雷発射管の装填状態は」

 「1,2,4,5番は空、3,6番は装填済み、未装填の水雷は12。 装填しますか?」

 艦長は少し考えてから指示を出す。

 「1,4番に水雷装填、2、5番は装填せずに注水。 扉を開ける音を脅しに使う」

 「了解、1,4番に水雷装填、2、5番は装填せずに注水します」

 「よし、総員起こしで対潜水艦戦用意。 予備兵員に携帯火器を持たせハッチ下に集合させろ。 敵艦を拿捕する」

 艦長命令に従い、就寝中の乗員の呼び出しが行われる。 水上艦ならばスピーカで艦長命令が伝えられるが、潜水艦同士の戦闘なので、余計な音を

立てないよう静かに戦闘準備が進められる。

 「上の様子は」

 「氷が覆っているようで……あ、氷が割れる音がします」

 報告と同時に、ガリガリという音が伝わって来た。 『カプセル』が氷を割って浮上しているらしい。

 「艦長、水雷で先制しますか?」

 「拿捕しろという命令だ。 敵艦の後ろにつけて浮上、海面に出たところで兵を氷原に出し、敵艦に突入させる」

 「敵艦の外壁を破壊する必要があるのでは?」

 「そうだな……爆薬を準備し、取り扱いのできる乗員を突入隊に加えろ」

 艦長が指示を出している間に、B-346も氷原のすぐ下まで来ていた。

 「艦を停止。 潜舵を上に向け、タンクブロー」

 B-346は、艦首から突き出た舵を垂直に立て、まっすぐ上に浮上する。 セイル(潜水艦の司令塔)が氷の底にあたる鈍い音がし、続いてバリバリとf氷が

砕ける音が艦内に響き渡る。

 「これで向こうもこっちに気がついたぞ! 浮上完了と同時にハッチ解放し、突入隊は甲板に出ろ! 副長、浮上指示はまかせる」

 艦長はそう言って、発令所の真ん中にある梯子を上り、セイル上の水上指揮所に向かった。

 
 「突入隊用意」

 ハッチ下に兵が集合している。 一人はハッチに続く梯子を上り、ハッチのハンドルに手をかけている。 艦内に響いていた音が途切れ、つかの間の

静寂が訪れる。

 『浮上完了。 突入隊は艦上に集合せよ!』

 スピーカから命令が伝えられると同時に、ハッチ下の兵がハンドルを回してハッチのロックを解除し、ハッチを押し上げた。 30気圧に相当する水圧に

耐える頑丈なハッチが開き、北極の冷気が流れ込む。 ハッチを開けた兵が、一気に甲板上がろうとした。

 「うわあっ!?」

 驚きの声とともに,兵が落ちてきた。 続いて白っぽいものがハッチから飛び込んでくる。

 「敵襲!」

 突入隊の隊長が反応できたのは、訓練のたまものだった。 兵たちは、銃を構えて下がりながら、侵入してきた敵の姿を捉える。

 「な……」 「裸の女だと!?」

 ハッチから飛び込んできたのは、裸のドローン女達だった。 彼女たちは、兵の構える銃に怯む様子もなく、近くの兵を押し倒す。

 「隊長、どうします?」

 突入隊長は一瞬ためらってから、命令を下す。

 「侵入者を撃て。 殺しても構わん」

 兵達が、小銃の照準をドローン女達に合わせる。 が、引き金を引く前に女達の乳房から真っ白い乳が噴出し、兵たちの体に降りかかる。

 「わっ、なんだ」

 「乳臭い、なんだこいつら……う?」

 乳を浴びた兵たちが小銃を取り落し、続いてその場に膝をつく。

 「か、体が重い?」

 「ち、力が入らねぇ」

 バタバタと倒れる兵に、突入隊長が青ざめる。

 「状況、ガス! 動ける者は、ハッチ区画から退去、水密扉閉鎖!」

 動ける兵は、半ば脊椎反射で命令に従って退却し、ハッチ区画の水密扉を閉じてロックした。 ハッチ区画には、ドローン女達と、その乳で身動きできなく

なった兵が残された。

 
 『前部ハッチの突入隊、逆襲を受けて半数が行動不能!』

 『後部ハッチ突入隊。 3/4が敵に捕獲された模様!』

 発令所に飛び込んできた報告に、空気が凍り付いた。 副長はインターコムで、セイル上の艦長を呼び出す。

 「艦長! 敵の逆襲を受け、突入隊は艦内に戻りました! 発令所に戻ってください!」

 副長は一気にまくしたて、インターコムからの応答を待った。

 『ク……クククッ』

 不気味な声がインターコムから流れ出す。

 『や、やめろ……貴様は……』

 『スグ……ヨクナル……』

 一瞬の静寂の後、副長が命令だす。

 「発令所へのハッチをロック! 急げ!」

 潜望鏡を覗いていた下士官が慌てて梯子を駆け上がり、ハッチを閉じる。

 「ぐわっ」

 下士官が梯子から落ちて、床の上でヒクヒクと痙攣している。 その顔から胸の辺りが真っ白に染まり、むせるような乳の匂いをさせている。

 「状況、ガス! 酸素マスク着用!」

 その場の全員が息を止めた。 壁際の兵と下士官が緊急用ロッカーを開き、浸水時に使用する小型のボンベとマスクを取り出し、その場にいる乗員に配る。

 『皆、異状ないか』

 副長が周りを見渡した。 梯子から落ちた下士官は、完全防備の看護兵によった発令所から連れ出された。

 『ちょっとふらつきます』

 『自分は大丈夫です』

 発令所の乗員が自分の状態を副長に報告する。

 『セイルとハッチの様子は判るか』

 『艦内TVの調子がよくなくて……』

 『再起動してみろ、デジタルカメラだろう』

 『少し待ってください……ああ映った』

 発令所の全員が、艦内監視用カメラの画像を覗き込み、凍り付いた。

 
 (う……なんだってんだ)

 オモテジミール・ポトフル曹長は痛む頭を押さえ、何が起こったのか記憶をたどる。

 (ハッチを開けたら……いきなり何かかけられて……落ちたのか)

 記憶の糸が繋がった。 ハッチの向こうにいた何者かに襲われ、梯子から落ちたのだ。 顔にかかった何かが目に入ったらしく、目が開かない。

 (くそう)

 痛む頭を押さえ、上体を起こした。 すると柔らかく暖かいものに顔がぶつかる。

 「誰だ? 看護兵か? 冗談はやめろ」

 ぶつぶつ言いながら目をこすり、ようやく目が見えるようになり、顔にぶつかったものを見た。

 「……おっぱい?」

 視線を上げると、『おっぱい』の上に白い女の顔があった。 肌も白いが髪の毛も白い、そしてその瞳も白く濁っている。

 「ククク……」

 女が笑い、曹長はそれがハッチの向こうにいた何者かだと気がついた。

 「き、貴様は! 何者だ!? あの『カプセル』の乗員か!?」

 突入隊は突入対象の『カプセル』の事を知らされていた。 曹長はこの女が『カプセル』からやって来たと考えた。

 「『かぷせる』? アア、『まざー』ノコトカ」

 呟く様に女は言うと、曹長の頭を自分の胸に抱え込んだ。 巨大で柔らかい乳房の谷間に、曹長の頭がすっぽりと収まる。

 「むぱぁ」

 女の肌の匂いに濃厚な乳の匂いが混ざり、曹長はむせかえった。 背を反らし、なんとか谷間から頭を抜き出す。

 「な、何をする」

 「なにヲスルノサ……ホラ」

 女が示す方向を見て、曹長は目を剥いた。 突入隊に加わっていた兵が3人、別の女達の乳房に顔を埋めたり、乳首を咥えたりしている。

 「き、貴様ら何をしてる。 ここをどこだと思ってるんだ!!」

 曹長は怒鳴ってから気がついた。 ここは、ハッチの真下だ。 ハッチから落ちて気を失っている間に、女に捕まってしまったらしい。

 「イイジャナイ……シタイヨウニスレバ……ホラ」

 曹長を捕まえている女が、彼の顎を掴み自分の乳房に誘う。 巨大な乳首が口の中に、ヌルリと滑り込んでくる。

 「タント、オアガリ……」

 口の中に、甘酸っぱく生暖かい乳がそそがれる。

 「ぶほっ……ぶはっ……」

 いきなりの攻撃に、むせる曹長。 口の中に注がれた乳が喉を滑り落ち、腹の中に流れ込んでくる。

 「この……ぬ?」

 お腹の辺りが、強い酒を飲んだ時のようにポッと温かくなる。

 「な……これは……」

 暖かいものが体に染み込み、頭の中がボーっとしてくる。

 「サァ……モット……」

 女に誘われるまま、曹長は乳首を再び咥えた。
 
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