ガールズ イン ア ボトル

Part4:悪夢への誘い


 さわさわ……

 何かが触れている、どこかに…… 

 さわさわ……

 近づいてくる、少しずつ……

 さわさわ……

 来る、それが……


 「うわっ!」

 コットン助手は跳ね起きた。

 「なんだ、どうしたぁ!」

 吉貝教授が続き、さらにデルとパパーウが起き上がった。

 「……今のは?」

 「夢か?」

 顔を見合わせる男たち。

 「……ここは?」

 「僕たちは……ランデル教授を探して……そうだ洞窟に」

 頭を振りながらコットン助手が呟く。

 「……おおそうだった……はて?」 吉貝教授が首を傾げた。 「なんか記憶がはっきりせんが……で、ここはなんだ?」

 四人は辺りを見回し、首をひねる。

 薄暗いが、闇と言うわけではない。 そして薄桃色のもやが立ち込めていて、遠くが見渡せない。 四人はそこに座り込んでいた。

 「妙な場所ですね……」

 「うむ……なっ!?」

 膝に置いていた彼の手に、不意に誰かが手を重ねてきたのだ。

 吉貝教授が振り向けば、堀の深い女が彼に寄り添うように座っている。

 立ち上がりかけたコットン助手。 その彼を別の女が背後から抱きとめた。

 そして、パパーウとデル。 彼らにもそれぞれ女が寄り添っていた。

 「君達は誰なんだ?ここはどこだ?」

 コットン助手は女の顔を見ながら質問した。

 女の肌は深い褐色で、一見するとこの辺りの女性のようにも見える。 大きな黒い目をした若い美人だ。

 「……」

 女は唇に微笑を乗せ、コットンにゼスチュアで座るように促す。 彼は少し躊躇ったが、取り合えず女と差し向かいの位置に腰を下ろす。

 「言葉。 判るか? コトバ」

 女は言葉がわからない様子で、小首をかしげた。 そしてにっこり笑って液体の入ったコップを差し出した。 匂いからすると酒だ。

 「いや酒じゃなくて……まてよどこから出したんだ?」

 さらに首を傾げるが、女は気にした様子もなくコップを差し出したまま待っている。 美人にお酌をされて断るのもなんである。

 「じゃあ一杯だけ」

 そう言ってコットン助手、コップを受け取り酒を啜った。

 「これは……スコッチ・ウィスキー?」


 「なんと日本酒ではないか」 吉貝教授は驚き、杯を空にした。

 いつの間にか、他の者達の姿が見えなくなっている事にも気づかずに。


 プハー

 パパーウは、陶器のマグカップに並々と注がれたエールを一気に飲み干し、満足のため息を漏らす。

 「懐かしい味だ……」

 慣れ親しんだ酒の味に相好を崩し、女に笑顔を向けた。

 彼女は微笑み返すと、パパーウの首に手をまわしてしなだれかかってくる。

 「おいおい、積極的な……」

 後半は唇を塞がれて声にならなかった。

 しっとりと……いや、滑るような感触の唇がパパーウの唇をはさみ、とがった舌先が歯茎を撫でる。

 むぐぐ……

 女の舌が、無遠慮にパパーウの口に滑り込んできた。 滑った舌がパパーウの口蓋に粘りつき、ナメクジの様に這い回る。

 奥へ……さらに奥へ、女の下が入り込んでくる。

 「んむ?」

 パパーウは奇妙な感覚に襲われた。 あり得ないほど深く、女の舌が入り込んでくるのだ。 それにつれて、滑る舌の愛撫が、奥へ、奥へと侵入してくる。

 「んぐ!んぐぐ!」

 体の自由が利かない。 異様に粘る何かが、彼の体に潜り込み、内側から愛撫しているのだ。 

 ヌルリ……ヌルリ……

 滑る蛇が神経に絡み付いてくるかの様な異様な感触、体が痺れ。 支配されていくような気がする。


 ”こ……こわ……こわくない……こわくありません”

 ’……声?’

 ”恐がる必要は……ありません”


 パパーウは悟った、これは目の前の女の声だ。


 ’神経が繋がって……’

 ”知識を交換……”

 ’その為の肉体的接触……’

 ”そうです、地球の方よ……”


 女の中から断片的な知識が、パパーウに伝えられ、彼の理解できる形に組み上げられた。

 ’お前は他の星から来た、我々と接触したのはまず知識を得る為だ’

 ”その通りです、しかしもっと情報が必要です”

 女が体を離した。

 「おう」 感嘆するパパーウ。 女のプロポーションは見事に彼好みで、たいそうな巨乳であった。

 ”さぁ……”

 女が乳を差し出す。 パパーウは彼女の望みがわかっていた。


 パパーウは乳首に吸い付き、赤ん坊の様に音を立てて吸う。

 ”あぁ” 女が熱いため息を漏らし、ヒクヒクと乳房が脈打つ。

 パパーウは遠慮なく乳をもみ、乳首をねぶり、谷間に顔を突っ込んで存分にその感触を楽しむ。

 ”あぅああ、ああああ”

 女が喘ぎ、乳が膨らんで、乳首がそそり立つ。

 ”いく、いきます……”

 「おう遠慮するな」

 ”あぁぁぁぁぁぁ”

 乳首の先から透明な液体が噴出した。 油のようなそれはパパーウに降り注ぎ、彼の体を濡らしていく。

 パパーウは驚く様子もなく、おとなしく女の温もりを宿した液体に包まれていく。

 やがて乳の興奮が収まると、女はパパーウを自分の胸に抱きしめた。

 「うっ」

 パパーウは一瞬震え、次に呆けたような顔になった。

 ”ふふふ……”

 女は笑い、パパーウの全身を愛撫し始めた。

 「あぅぅ……ああ……ああああ」

 ”良い心地でしょう”

 ’ああ、お前と一つになるのがこんなに心地よいとは……’

 女の分泌した粘液で包まれ、全身が粘膜と化したパパーウは、宇宙人の女と肉体的にも、そして精神的にも、深く結合してしまった。

 女はパパーウを深い快楽に沈めて無抵抗にすると、その意識と記憶の隅々までに触手を伸ばして支配下に置く。

 ’気持ちいい……ああ頭がぼーっとして……たまらない’ 

 ”良い心地でしょう……浸っていなさい……忘れさせてあげる……何もかも……そして我が創造主にその肉体を捧げるのです……”

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