教会[シスター]

11.永遠の…


それから数日して、シスター・リズの手紙が中央の教会に届き、大変な騒ぎとなった…
幹部候補生のファーザー・ケインが、シスター・リズを数日間責めさいなんだ上、変死したというのだ。
とんでもない不祥事であった。
直ちに、変死したファーザーの検死が教会の派遣した専門のファーザー、医師によって行われた。
しかし、心臓が停止した以上のことはわからなかった。

関係者からの聞き取り調査のが行われた。
『夢魔の魂』を祓ってもらったという村長夫人の証言、
ファーザーがおかしくなっていたという村人の証言、
そして、ファーザーに襲われたという、シスター・リズの証言が得られた。

数週間後…教会の出した結論は…
祓われた『女の夢魔の魂』が、男であるファーザーに取り付いた。
そのため、ファーザーは精神に異常をきたし、リズを襲い、挙句に自滅したらしいとなった。
教会の公式文書では、ファーザーも被害者であるとされた。
また、性別の異なる『夢魔の魂』に取り付かれた場合、精神に異常を来たすという記録が残された。

ファーザーに襲われながらも、健気にファーザーの身を案じ続けたシスター・リズには同情と賞賛が送られた…
そして、中央の尼僧院で静養の後、幹部候補生として研修の機会が与えられる事になった…

そして…数年後…
リズはマザーとなっていた…マザー・リズが夢魔であることで…教会に何が起こっているのか…知る者はいない…
リズに呑まれた…ファーザー・ケインの魂は…蕩けたままずっとリズの…夢魔の子宮でのたうっていた…
リズの与える快楽に浸り…リズのペットとして飼われてた…
時たま…リズが気まぐれでファーザーを正気に戻す…
”だって…かわいい声で鳴くんですもの…”
今日もリズのお腹から…ファーザーの助けを求める声が響く…
”リズゥゥゥ…助けてくれぇぇぇ…出してくれぇぇぇ…”

しばらく声に聞き入った後、リズが腰をひとゆすりすると、ファーザーの魂は形が崩れ、また意味不明の悦楽のうめきだけをあげるようになる…
「面白ーい…ファーザー…永遠に私のものよ…うふふ…ウフフフフフフフフ…」

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