教会[シスター]

3.ヘ・タ・ク・ソ


ファーザーは深い眠りについていた。
スルスル…パサリ…チュ…
身じろぎするファーザー…
スル…シュルシュル…
ブルッと震える…
ペロリ…スリスリ…サワサワ…
”…なに…おもい…やわらかい…さむい…あたたかい…?…”
次第に、意識が覚醒に向かう…

目を開きかける。ヌルリ…口の中に柔らかい物が入ってくる…顔に何かの雫が落ちる?…
目が開いた…何か白い物が…リズ…リズ?…シスター・リズ!…
反射的に、リズを突き飛ばしそうになり、かろうじて、思いとどまる。
リズが自分に口付けしていると頭が理解すると、リズの両腕を掴み、引き剥がす。
上体をおこし、リズを睨みつけ詰問する。
「シスター!、何をなさっているのです」
「ファーザー、行かないで…リズと…」リズが嗚咽する。
2、3度瞬きし、ファーザーはリズの想いを理解する。が、しかし…
「シスター…落ち着いて…」
「ファーザー…」リズは泣き止まない。

取り合えず、熱いミルクを入れ二人で飲む…ファーザーは、シスターが落ち着いたのを見計らって、
「とにかく、今日は遅い…明日話をしましょう…」といってリズを寝室に送った。

再びベッドに入るファーザー、額に手を当て考える。
”シスター・リズは大事な妹のようなもの…恋に恋する年頃…うかつでしたか…どうしたものか…”
考えているうちに眠りに落ちる。

そして、リズも泣きながら眠りに落ちる。
”やっぱりファーザーは…私なんか…私なんか…どうすれば…”
”モット…オンナラシケレバ…”
”そうよ…女らしければ…”
”ふぁーざーヲトリコにデキルグライ…”
”ファーザーを…虜にできるぐらい…女らしければ…私だって…うっうっうっ…”
”…………”
そしてリズは深い眠りに落ちた……

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