ヌル
解説
R.K:『ヌル』 でした。 解説を書くのも久しぶりです。
エミ:終わり?……やっと?
ルウ:あーあ……ようやく終わった。
R:始めたのが2015/10/18なので、2年以上続いたわけです、いや長かった。 二人ともお疲れ様。
ル:といっても、ボクの出番は第三章までだから、2016/10/30が最後だよね。
エ:そこから、さらに一年続いたの? 計画性がなさすぎ。
R:反省しています……
R:さて、この話は「パイパイパー」で登場した護衛ドドットが再登場します。
エ:私も再登場。
ル:そしてボクも、再登場……あれ? ボクってパイパイパーの時に、あっち側に行ってなかったけ。
エ:うん、そうよ。
ル:ドドットさんとも面識があったはず。 いいの?
R:えーパイパイパーの『ルウ』とヌルの『ルウ』は同名の別人という事で……
ル:でも楽屋では同一人物と。
R:そーです……
エ:えーかげんな。
ル:今回、懐かしの登場人物が出てきたよね。
R:ライム姉妹とその母親、スライムタンズにスーチャンまで登場しました。
エ:んで、私の正体は『サキュバス・エミ』当人だったと。
ル:という事で、あれは異世界ではなく未来の地球だという事で。
R:未来には違いないですが、地球とは限らないかも。 テラフォーミングされた火星、金星、スペースコロニー、巨大宇宙船、いくらでも考えられます。
エ:ふくな! そこまで発達した文明だったら、あそこまで極端に衰退しないでしょ?
R:まぁそうでしょうけどね。 文明の崩壊から、急激な人口減少への過程で『地獄』が出現して、ほとんどの技術は維持できなくなったと。
エ:にしたってねぇ、限度というものが……
R:さて登場人物ですけど、ライム姉妹とエミの会話の中で、『灯火』の二人も登場しています。
エ:『ジョーカー』も再び。
ル:これで、いままに出てきた話はほとんどつながった事になるのかな?
R:いえ、『紫陽花』の登場人物が皆無です。
ル:あーナメクジ・ソープランドの……
エ:ヌル伯爵邸が、二号店みたいな状況になったのにねぇ……なんでかしら?
R:『紫陽花』は、あれで閉じているんで、他とからむ要素がないんですね。
ル:仲間外れか……
ル:にしても、男たちの種を取り込んで未来に託すって話は無理があるのでは? 別の星への人類の種を運ぶというならともかく
エ:そうそう。 あそこまでして私が守る必要性があるとは思えないんだけど。
R:当人に言われると、身もふたもないのですが。 エミさんとしては、脅されていたにせよ、青い爪の魔女の狂気の行動に加担した事に罪の意識があった
と言うとで……
エ:私には『罪の意識』なんてありません。 ただ、今を生きるのみです。
ル:うーん、やっぱり身もふたもない。 ひょっとして『人としての良心』をなくしてしまったとか。
エ:何それ?
ル:ほか、鏡の中に閉じ込められた『人の心』とかいう設定があったでしょ。
エ:あーあれ。 すっかり忘れていたわ。
R:おぉ、私も忘れていました。
エ&ル:おいおい。
R:ともあれ、ようやく『ヌル』にケリをつけることが出来ました。
エ:で、次回作……って、もう『新しいママ』がはじまってるじゃない
ル:『教授』がまた中断?
R:「教授』は次の更新から再開します。 しばらくは『教授』、『新しいママ』が交互に続きます。 そしてその後は……
エ:その後は?
R:VSの新シリーズ
ル:へぇ?
R:では予告を
人造人間……それはホムンクルスに始まる人類の夢の一つだった。
「AI、それは知識を分析するであり、技術が進歩するために欠かせない相棒となるだろう」
「しかし、AIが進化しても、意思を持つようになるのでしょうか」
人造人間ならぬ人造意識、それを作り出すことは可能なのか?
「生物は、多かれ少なかれ、周りの環境の情報を推し量る力がある、そのために必要なのは『input』だ!」
「まず『input』、つまり『感覚』が必要だと?」
「そう『人工知能』ならぬ『人工感覚』を持ったプログラムを作り出せれば、『人造意識』にへの第一歩が開けだろう」
怪しげな研究が密かに始まる一方で、能天気な悪魔と見習い魔女の日常は、新しい展開を迎えていた。
「……ここは妖品店『ミレーヌ』……人には扱えぬ魔道の品々を扱う店……断じて……断じて……ペットショップではありません!!!」
「んなこといってもなぁ」
「うちら使い魔の親分をやっつけたんは、あんたんとこの見習いさんやし」
『お世話になりますぅ!』
青い爪の魔女こと鷹飛車保険医が無計画に量産した、ビースト娘たちを引き取るはめになった赤い爪の見習い魔女こと如月麻美。
必然的にビースト娘たちのそのたまり場となってしまう妖品店『ミレーヌ』。
狭い店内に溢れかえる、牛娘、馬娘、虎娘、猫娘……魔女ミレーヌの怒りが頂点に達する。 そして、迷惑は他へと飛び火する。
「おい、エミ。 最近、公園で金髪ロリ娘の美人局が集団で現れるという情報があるんだが……よもやお前の処の関係者じゃあるまいな」
「や、やーね川上刑事さん。 そんな危ないことしてないわよ……」
「大人の『立ちんぼ』なら、限度はあるが…… しかし! 未成年どころか、幼稚園ぐらいの年の女の子が、それも集団でだ!!」
「だから、知らないって……」
「……知らないじゃ、すませられないわよ!!」
「いえ、まぁ……」
ゴールデン・ハムスター娘6匹が、金髪ロリ(風)幼女が集団で美人局に及ぶという、看過できない状況に追いつめられる麻美。
しかし、事態は意外な方向へと!
『歌を……歌をください……』
「へ?」
『おねがい……私に歌を……』
突如ネットの海に出現した、歌を求めてさ迷う電子妖怪『ボーカロイド娘』。 その真摯な願いに、男たちは欲望の歌で応えてしまう。
『歌をください……』 「ああきみはなんて可愛いんだ……」
『歌を頂戴……』 「君にふさわしい歌を……」
『歌をくれる……』 「貴方にふさわしい歌を……」
『歌をおよこし!』 「女王様にふさわしい歌を……」
歪んでいく『ボーカロイド娘』と、その虜になっていく男達。広がっていく『病気』になすすべのない当局は、最後の希望をエミたちに託す。
「あれをなんとかしてくれ。 代わりにロリ幼女美人局の件はチャラにするよ。 あ、警察は一切関与できんからそのつもりで頼む」
「丸投げかい!」
怒り心頭のエミ、頭を抱える麻美、どこ吹く風のミスティ。 彼女たちがたどり着いた決戦の場は!
「また、マジステール大学!? こりもせず……」
「ほーっといて、政府に劣りつぶしさせといた方がいいんじゃない♪」
「駄目よ! 進学先がなくなっちゃう!」
間違った科学が生み出し、歪んだ欲望が育てた電子妖怪になすすべはあるのか!
「これよ! 一か八かだけど」
「この絵? サバトじゃない?」
「なーにぃ? 悪魔でも呼び出すのぉ?」
「あんたが悪魔でしょうが! そうじゃなくてこれよ、これ、バフォメット!」
訳の分からぬまま、エミの立てた作戦、というよりやけっぱちの殴り込みにマジステール大学が揺れる。
ドドンガー!! メイドンガー!!
「これ、ほんとにやるの?」
「さぁ」
VSシリーズ新作 『歌を知らないカナリア(仮題)』
(2018/2/25)